地理・河川
北上川:東北地方を縦断する大河川の歴史と地理

岩手県から宮城県へ流れ、東北地方最大の流域面積を誇る一級河川「北上川」の地理、地質、歴史的治水事業、文化について解説する百科事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓北上川は岩手県中央部を北から南へ流れ、宮城県石巻市で太平洋に注ぐ一級河川である。
- ✓流路延長は249 km、流域面積は10,150 km2であり、東北地方最大の規模を持つ。
- ✓明治から昭和にかけての大規模な河川改修により、新北上川と旧北上川に分流された。
北上川(きたかみがわ)は、岩手県中央部を北から南へ流れ、宮城県東部の石巻市で太平洋(追波湾)へと注ぐ一級河川である。北上川水系の本流であり、流路延長249 km、流域面積10,150 km2は、東北地方の河川の中で最大規模を誇る。
地理と地質
北上川は、岩手県岩手郡岩手町の「弓弭の泉」に源を発し、盛岡市、花巻市、北上市、奥州市、一関市などを経て南へ流れる。宮城県登米市付近で旧北上川と新北上川に分かれ、新北上川は東の追波湾へ、旧北上川は南の石巻湾へと注いでいる。
流域の地形は、東側の古生代からの地層を持つ北上高地と、西側の新第三紀以降の火山活動で形成された奥羽山脈の間に挟まれた「北上低地帯」を貫流している構造を持っている。
歴史と治水事業
江戸時代、北上川流域は盛岡藩と仙台藩によって本格的な開発が進められた。仙台藩では白石宗直らによる相模土手などの堤防建設が行われ、新田開発が促された。明治時代以降も洪水被害を防ぐための大規模な河川改修が行われ、1911年から1934年にかけては追波川を利用した放水路(新北上川)の開削工事が実施された。
文化と流域の歴史
北上川流域は宮沢賢治や石川啄木といった文人の作品にも描かれており、花巻市の「イギリス海岸」などの景勝地が存在する。また、明治初期の河川交通を通じてロシアから伝わった日本ハリストス正教会の教会が流域に多く分布していることでも知られている。
よくある質問
北上川の源流はどこにありますか?
岩手県岩手郡岩手町にある「弓弭の泉」を一級河川の指定上の源としています。
北上川の流域面積と流路延長はどのくらいですか?
流路延長は249 km、流域面積は10,150 km2であり、東北地方の河川で最大です。
新北上川と旧北上川に分かれたのはなぜですか?
度重なる洪水から下流地域を守るため、明治時代から昭和にかけて行われた大改修工事によって放水路(新北上川)が開削されたためです。
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盛岡市石巻市宮沢賢治北上高地奥羽山脈
参考文献
北上川下流河川事務所 『北上川の概要』 / 宮城県 『北上川流域水循環計画』 / 国土交通省 北上川水系河川整備基本方針