光冠(大気光学現象)

📌 主なポイント
- ✓光冠は、雲中の水滴による光の回折によって生じる大気光学現象である。
- ✓光冠は太陽や月に接して現れるが、暈(かさ)は太陽や月から離れた位置に現れる。
- ✓光冠の色の順序は内側が青、外側が赤であり、暈とは逆である。
- ✓花粉や火山灰などの微粒子によっても同様の回折現象が見られることがある。
光冠(こうかん、英語: corona)とは、太陽や月などの光源が薄い雲に隠れた際、その周囲に縁が色づいた青白い光の円盤が見える大気光学現象です。光環(こうかん)とも表記され、気象学的には「コロナ」とも呼ばれます。

発生メカニズム
光冠は、雲を構成する微細な水滴によって光が回折することで発生します。水滴の粒子径が均一であるほど、回折によって生じる色の分離が鮮明になります。回折角は水滴が小さいほど大きくなるため、水滴のサイズによって光冠の直径が変化します。また、波長が長い光ほど回折角が大きくなる性質により、内側が青、外側が赤という色の順序で並びます。

特徴とオーレオール
光冠の中心部、すなわち太陽や月に接している青白い円盤状の部分はオーレオール(aureole)と呼ばれます。水滴の大きさが不揃いな場合、各水滴による回折角が重なり合い、色が混ざって縁が不明瞭なオーレオールのみが観察されることが一般的です。光冠全体の直径は通常1度から5度程度です。

関連現象
花粉光環
水滴以外の微粒子が空中に浮遊している場合にも回折現象が見られることがあります。特にスギ花粉が飛散する季節に見られるものは花粉光環(花粉光冠)と呼ばれます。
ビショップの環
大規模な火山噴火などで大気上層に微細な火山灰が拡散された際、非常に稀に直径が10度を超える巨大な光冠が見られることがあります。これは1883年のクラカタウ噴火で観測されたことにちなみ、ビショップの環(Bishop's ring)と呼ばれます。
暈(かさ)との違い
太陽や月の周りに光の輪ができる現象として「暈(かさ)」がありますが、光冠とは発生原理が異なります。暈は氷晶内での光の屈折によって生じるため、主に高度の高い巻層雲などで見られます。一方、光冠は水滴による回折現象であり、高度の低い高層雲や高積雲などで観察されます。また、暈は太陽から離れた位置に現れ、色の順序も内側が赤、外側が紫と光冠とは逆になります。

よくある質問
光冠と暈(かさ)はどう違いますか?
花粉光環とは何ですか?
光冠の色の並びはどうなっていますか?
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参考文献
- 文部省、日本気象学会編『学術用語集 気象学編』(増訂版)日本学術振興会、1987年。ISBN 4-8181-8703-8
- 『オックスフォード気象辞典』朝倉書店、2005年、p.79, p.27。ISBN 978-4-254-16118-2
- リチャード・ハンブリン著、村井昭夫訳『驚くべき雲の科学』草思社、2011年、pp.64-65。ISBN 978-4-7942-1852-0
- American Meteorological Society, "Glossary of Meteorology: Corona", 2018.