国家領域の構成と法的性質に関する国際法上の解説
📌 主なポイント
- ✓領域は国家の3要素のひとつであり、領土、領水、領空から構成される。
- ✓領水は領海、内水、群島水域に分類され、沿岸国の主権が及ぶ。
- ✓領空の垂直的限界は宇宙空間までとされ、完全かつ排他的な主権が及ぶ。
- ✓大陸棚や排他的経済水域は領域そのものではなく、主権的権利が及ぶ領域に準ずる空間である。
領域(りょういき)とは、国家の主権下にある空間的区域であり、国家領域とも称される。国際法上、国家の成立における基本要素の一つとされており、その構成は領土、領水、領空の3つの要素から成り立っている。これらの中で最も基礎となるのは領土であり、文脈によっては「領域」という語が領土を指す狭義の意味で用いられることもある。
領土の概念と法的地位
広義には国家の領域全体を指すこともある「領土」という用語であるが、狭義には土地からなる国家の領域を指す。狭義の領土は国家領域の中心部分であり、領域国は広範かつ排他的な領域主権を行使する。国家の要件を構成する重要な要素の一つである。
領水の種類と権利
領水とは、沿岸国の主権が及ぶ海域を指す。領土と不可分に結合しており、領水のみを単独で処分の対象とすることはできない。領水は主に領海、内水、群島水域に分類される。
内水
基線の陸地側にあるすべての水域のうち、群島水域を除いたものを内水と呼ぶ。領海とは異なり、他国船舶による無害通航を受忍する義務はなく、領土と同様に沿岸国が排他的な主権を有する。
領海
領海は、基線から沿岸に向けて最大12海里までの範囲で沿岸国が設定する帯状の水域である。領海の海面だけでなく、その海底および地下に対しても沿岸国の主権が及ぶ。内水とは異なり、他国船舶の無害通航を尊重する義務が伴い、他国船舶に対する裁判管轄権には一定の制限が加えられる。
群島水域
群島国家がその外側を結ぶ群島基線を引いた場合、その基線に囲まれる水域のうち内水を除いた部分を群島水域という。法的性質はおおむね領海と同様である。
領空の範囲と権能
領空とは、領土および領水の上空を指す。水平的な限界は領土・領水の外側境界に一致し、垂直的な限界は宇宙空間に至るまでとされる。国際民間航空条約第1条において、領空に対する国家の権能は「完全且つ排他的な主権」と規定されており、領海とは異なり無害航空の自由は認められていない。
領域に準ずる権利との区別
天然資源の開発などに関して主権的権利が及ぶ大陸棚や排他的経済水域は、領域そのものではなく、領域に準ずるものとして位置づけられる。こうした主権的権利は、国家が有する領域主権に付随して認められる権利であって、主権そのものではない。