政治学
国民の政治的および法的な概念に関する考察
国家を構成する要素である「国民」の定義について、国籍法上の概念や政治共同体としての側面、歴史的背景を解説する。
📌 主なポイント
- ✓国民とは、国家を構成する人民、または特定の国の国籍を有する者を指す。
- ✓近代の国民国家においては、国籍を有する国民とそれ以外の外国人が厳格に区別される。
- ✓国民主権を採用する国家では、国民が主権を持ち参政権を行使する。
国民(こくみん、英: national)とは、国家を構成する人民、あるいは特定の国家に属する個々の人間や社会集団全体を指す概念である。
国籍法上の国民
個々の人間を指す場合、国民とは特定の国においてその国の国籍を持つ者を指す。これに対して、その国の国籍を持たない者は外国人と呼ばれる。
近代に成立した国民国家においては、国内における法の下の平等を確保しようとする動向と並行して、出入国管理を厳格化し、国民と外国人を明確に区別する傾向が見られた。定住外国人はこうした制度的枠組みの中で独自の法的位置づけ置かれる存在となっている。
政治共同体としての国民
共通の属性を根拠としてまとまった広域の政治的共同体を、集合的に国民と呼ぶこともある。国民は居住する地理的範囲に一つの国家を形成することが予定されており、この条件を満たす国家は国民国家と呼ばれる。
ベネディクト・アンダーソンは、国民を共通属性の所産ではなく政治の産物であり、人々が自らを特定の区分としての国民であると自覚したときに生まれる「想像の共同体」と規定した。また、デイヴィッド・ミラーは、ナショナリティが人間のアイデンティティの重要な要素であり、同胞国民という倫理共同体を形成して義務感を生じさせる機能を持つと指摘している。
国民主権と参政権
憲法において国民主権を定める国家では、国民は主権を有し、主に選挙権や被選挙権を通じて参政権を行使することができる。国民という概念は、政治を一部の特権者に限定する考え方を退け、原則として身分や財産に関わらず政治共同体の中に人々を包摂する機能を持つ。
よくある質問
国民と外国人の違いは何ですか?
国民とは特定の国家の国籍を有する者を指し、外国人はその国の国籍を持たない者を指します。
国民国家とはどのような国家ですか?
共通の属性や意識を持つ国民が、特定の地理的範囲において一つの国家を形成している形態を指します。
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参考文献
- 英辞郎 株式会社アルク 2023年12月31日閲覧。
- コトバンク 国民
- 佐藤成基「国民国家と外国人の権利 : 戦後ドイツの外国人政策から」
- 伊藤恭彦『政治哲学』人文書房 2012年