地球科学
国際標準大気:地球大気の構造とモデル解説
国際標準大気(ISA)の定義、高度ごとの気圧や温度の変化モデル、ISO 2533:1975による規格化の背景、および関連する標準大気について解説します。
📌 主なポイント
- ✓国際標準大気(ISA)は、地球大気の圧力や温度などの高度変化を表すモデルであり、ISO 2533:1975として策定されている。
- ✓海面上の基準状態では、気圧が101,325 Pa、気温が15.0 ℃、気温減率が6.5 K/kmに設定されている。
- ✓米国、ICAO、WMOの各標準大気は、高度32 kmまでISOの国際標準大気と同一の数値・モデルを採用している。
国際標準大気(こくさいひょうじゅんたいき、International Standard Atmosphere, ISA)とは、地球大気の圧力、温度、密度、および粘性が高度によってどのように変化するかを表した標準的なモデルである。様々な高度における数値を記した表と、表に示されていない値を導出するための方程式によって構成されている。
概要と策定
国際標準大気は、国際標準化機構(ISO)によってISO 2533:1975として策定されている。ISOの専門委員会によれば、中緯度での平均的な状態をもとにモデルが構築されており、20世紀半ばから幾度かにわたって改良が加えられてきた。航空機の性能評価や設計、気象学、各種計算の基準として広く利用されている。
大気の層構造と数値モデル
国際標準大気のモデルにおいて、大気は温度が区分的に線形に変化するいくつかの層に分けられる。他の物理量は、基本的な物理定数や関係式から導出される。
例えば、海面上での基準状態では気圧は101.3 kPa(101,325 Pa)、気温は15 ℃であり、高度上昇に伴い気温が低下する割合(気温減率)は6.5 ℃/kmである。この状態は対流圏を通じて高度11 kmまで続き、そこでの気圧は22.632 kPa、気温は-56.5 ℃となる。さらに高度が増すと、気温の挙動は層によって異なり、成層圏や中間圏へと続いていく。
| 層 | 圏 | 基準ジオポテンシャル高度 $h$ (km) | 基準幾何高度 $z$ (km) | 気温減率 $ imes(-1)$ (K/km) | 基準気温 $T$ (℃) | 基準気圧 $p$ (Pa) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 対流圏 | 0.0 | 0.0 | -6.5 | +15.0 | 101,325 |
| 1 | 対流圏界面 | 11.000 | 11.019 | +0.0 | -56.5 | 22,632 |
| 2 | 成層圏 | 20.000 | 20.063 | +1.0 | -56.5 | 5,474.9 |
| 3 | 成層圏 | 32.000 | 32.162 | +2.8 | -44.5 | 868.02 |
| 4 | 成層圏界面 | 47.000 | 47.350 | +0.0 | -2.5 | 110.91 |
| 5 | 中間圏 | 51.000 | 51.413 | -2.8 | -2.5 | 66.939 |
| 6 | 中間圏 | 71.000 | 71.802 | -2.0 | -58.5 | 3.9564 |
| 7 | 中間圏界面 | 84.852 | 86.000 | — | -86.2 | 0.3734 |
その他の標準大気
国際標準大気のほかにも、用途や組織に応じていくつかの標準大気が存在する。
よくある質問
国際標準大気(ISA)とは何ですか?
地球大気の圧力、温度、密度、粘性が高度によってどのように変化するかを示す標準的な数値モデルであり、ISO 2533:1975として規定されています。
国際標準大気はどのような組織によって策定されましたか?
国際標準化機構(ISO)の専門委員会(TC 20/SC 6)によって策定されています。
ICAO標準大気との違いは何ですか?
ICAO標準大気(Doc 7488-CD)は国際標準大気と同じモデルを基礎としつつ、高度80 kmまでの範囲に拡張して適用しているものです。
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参考文献
- ISO, Standard Atmosphere, ISO 2533:1975, 1975.
- ICAO, Manual of the ICAO Standard Atmosphere (extended to 80 kilometres (262 500 feet)), Doc 7488-CD, Third Edition, 1993, ISBN 92-9194-004-6.