歴史・農業
小作制度の概要と歴史的背景
小作制度の定義、分類、および日本における小作争議や小作調停法の歴史的背景について解説します。
📌 主なポイント
- ✓小作制度は、土地所有者と耕作者(小作人)の間で耕作権を媒介に成立する制度である。
- ✓小作料の支払い方法により、定額小作と不定額小作(分益小作など)に分類される。
- ✓日本では第一次世界大戦後の経済恐慌を背景に小作争議が激増した。
- ✓1924年に小作争議を解決するための小作調停法が制定された。
小作制度とは、生産手段である土地を所有しない小作人が、土地の所有者や占有者から耕作権を得て農作物の生産に従事する制度です。この制度は、土地の性格や所有権・占有権のあり方によって多様な形態をとります。
小作制度の分類
小作制度は、契約形態や小作料の支払い方法によって以下のように分類されます。
直接小作と間接小作
小作人が地主に対して直接小作料を支払う形態を直接小作と呼びます。一方で、地主と小作人の間に第三者(中間の小作人やブローカーなど)が介在する形態を間接小作と呼びます。間接小作は、又小作、仲小作、鍬先小作、底地小作などとも呼ばれます。
定額小作と不定額小作
小作料の納入額に基づく分類では、定額小作と不定額小作に分けられます。定額小作には年期小作(普通小作)や永小作が含まれます。対して、収穫量に応じて小作料が変動する不定額小作には、分益小作(刈分小作)などが該当します。
日本における歴史と小作争議
日本において、地主と小作人の間では小作料などを巡る対立が絶えず、第一次世界大戦後の経済恐慌を契機に小作争議が激増しました。争議件数は大正末期に一時減少したものの、昭和恐慌期に再び増加傾向を辿りましたが、戦時体制下で沈静化しました。
こうした小作争議への対応策として、1924年(大正13年)に小作調停法が公布・施行されました。この法律は、争議当事者の申立てにより裁判所が調停を行う制度を定めたものです。調停が成立し裁判所の認可を受けた場合、調停条項の不履行に対しては強制執行が可能となりました。なお、この制度は1951年に民事調停法が成立したことに伴い廃止されました。
よくある質問
小作制度とは何ですか?
土地を所有しない小作人が、地主から耕作権を得て農作物を生産する制度のことです。
直接小作と間接小作の違いは何ですか?
直接小作は小作人が地主に直接小作料を支払うものですが、間接小作は地主と小作人の間に第三者が介在する形態を指します。
小作調停法はどのような目的で制定されましたか?
激増する小作争議を解決するため、裁判所が調停を行う制度として1924年に制定されました。
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参考文献
- 大塚史学会『郷土史事典』朝倉書店、1969年、198頁。
- 中沢弁次郎『最近の小作問題』巌松堂書店、1924年、88-91頁。
- 「小作争議」『精選版 日本国語大辞典ほか』コトバンク。
- 「小作調停法」『デジタル大辞泉ほか』コトバンク。