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日本における古社寺保存法の歴史と文化財保護の変遷

日本における古社寺保存法の歴史と文化財保護の変遷
明治30年に制定された古社寺保存法の歴史、制定の背景、文部省への所管変更、そして後の国宝保存法への移行と廃止に至るまでの経緯を解説します。

📌 主なポイント

  • 古社寺保存法は明治30年(1897年)6月10日に公布された法律である。
  • 古社寺の建造物や宝物類の中で歴史的・美術的に価値の高いものを「特別保護建造物」または「国宝」として指定した。
  • 当初は内務省が所管していたが、大正2年(1913年)に文部省へ移管された。
  • 1929年(昭和4年)の国宝保存法の施行に伴い廃止された。

古社寺保存法(こしゃじほぞんほう、明治30年6月10日法律第49号)は、かつて日本に存在した文化財保護に関する行政法規である。明治維新以降の混乱や廃仏毀釈によって危機に瀕した古社寺の建造物や宝物を保護するため、明治4年の「古器旧物保存方」を引き継いで1897年(明治30年)に制定された。

日本国政府国章(準)のイラスト
日本国政府国章(準)

制定の背景と初期の運用

明治政府は、廃仏毀釈による文化遺産の破壊と流出に対処するため、1871年(明治4年)に「古器旧物保存方」を布告して調査を開始した。その後、より実効的な保護制度として古社寺保存法が成立し、歴史的・美術的価値の特に高い古社寺の建造物や宝物類を「特別保護建造物」または「国宝」に指定して保護を図った。

制定当初の所管官庁は内務省であったが、1913年(大正2年)に文部省へ移管された。保存経費として国庫から補助金が交付される一方で、指定物件には海外流出や無断売却の禁止、美術館・博物館での公開義務などの規制が課された。

廃止の経緯と国宝保存法への移行

古社寺保存法は、保護対象を社寺の所有物に限定していたため、城郭建築や旧大名家伝来の美術品など、社寺以外に所在する優れた文化財を制度的に保護することが困難であった。このため、より包括的な文化財保護制度の必要性が高まり、1929年(昭和4年)3月28日に国宝保存法(昭和4年法律第17号)が制定された。

国宝保存法の施行に伴い、古社寺保存法は1929年(昭和4年)7月1日付で廃止された。これにより、従来の古社寺保存法に基づいて指定されていた「特別保護建造物」および「国宝」は、新しい国宝保存法における「国宝」へと移行した。

よくある質問

古社寺保存法はいつ制定されましたか?
1897年(明治30年)3月17日に成立し、同年6月10日に公布されました。
古社寺保存法はどのようなものを保護対象にしていましたか?
古社寺が所有する建造物および宝物類のうち、特に歴史の証徴または美術の模範となるものを対象としていました。
古社寺保存法はなぜ廃止されたのですか?
保護対象が社寺所有の物件に限定されており、城郭や旧大名家伝来の文化財などを保護できなかったため、より包括的な国宝保存法が制定されたことに伴い廃止されました。

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参考文献

  • 官報 1895年7月12日
  • 文部科学省 「第二節 文化財保護と文化行政」
  • 国立公文書館 「ようこそ 歴史資料の宝庫へ」
  • 文部科学省 「第四節 文化財保護」
  • 国宝保存法 昭和4年3月28日法律第17号、日本法令索引
  • 官報 1897年12月15日