急流と早瀬の地理的特徴および水文学的解説

📌 主なポイント
- ✓急流や早瀬は、河床の浸食への耐性の違いや急な傾斜によって形成される水文学的現象である。
- ✓国際河川難易度スケールでは、IからVIまでの階級によってその険しさが分類されている。
- ✓日本の河川は国土の地形的特徴から、諸外国に比べて急流が多いことで知られている。
- ✓明治期における「これは川ではない、滝だ」という発言は、近年の調査によりローウェンホルスト・ムルデルによる早月川に関するものであったと修正されている。
急流(きゅうりゅう)、あるいは早瀬(はやせ)とは、河川において比較的急な傾斜を持ち、水流の速度が速く、かつ乱流となっている区間を指す水文学的な現象である。また、「早瀬」は流れの速い海流の形容や、そうした現象が生じる狭い海峡の一般的な呼称としても用いられる。
水文学的特徴
急流は、穏やかな流れと滝の間など、河床が下流の河床に比べて水の浸食に対して強い場合に発生しやすい。川が浅くなり、水面上に露出した岩が存在することが特徴的な外観となる。流れている水が岩の周りで激しく波立ち、気泡が水に含まれることで水面の一部が白く濁って見える。固い岩盤を刻んで流れる若い河川においては、その大半の区間で急流が形成されることがあり、山間部を流れる上流域は一般に渓流と呼ばれ、しばしば急流を伴う。

国際河川難易度スケール
川下りやカヌーなどの分野では、河川の難易度を示す国際河川難易度スケールが用いられている。このスケールはIからVIまでの階級に分類されており、Iに近いほど穏やかな流れであり、VIに近づくにつれて滝のような極めて危険な状態となる。なお、クラス5の難易度はさらに5.1から5.9までの細分化がなされることがある。
日本における河川の傾向
日本の河川は、ヨーロッパ諸国の河川と比較して急流が多いという特徴が指摘されている。イギリスの日本研究家であるバジル・ホール・チェンバレンの著書『日本事物誌』においても、「国土が狭小なために、大抵の日本の河川は、川というより、むしろ急流である」という旨が記述されている。
また、明治時代に来日した外国人の発言に関する逸話として、オランダ人の土木技師に関連する「これは川ではない、滝だ」という表現が伝えられてきた。長らくヨハニス・デ・レーケが常願寺川について発言したものと広く信じられてきたが、近年の富山県会議事録などの調査により、実際にこの発言を行ったのはローウェンホルスト・ムルデルであり、対象となった川も常願寺川ではなく早月川であったことが結論付けられている。
よくある質問
急流と早瀬の違いは何ですか?
国際河川難易度スケールとは何ですか?
日本の河川が急流と言われるのはなぜですか?
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参考文献
- 貝塚爽平 『日本の地形 -特質と由来-』 岩波新書、1977年、p.143。
- 「「川ではない。滝だ」実は別人 明治の技師デ・レイケ発言 論争決着か」北日本新聞、2020年8月16日。