言語学
後期近代英語の特徴と発展の歴史
18世紀半ばから現在に至るまでの後期近代英語の歴史、産業革命の影響、人称代名詞の変化、辞書・文法書の編纂について解説します。
📌 主なポイント
- ✓後期近代英語は、およそ18世紀半ばから現在に至るまでの英語の発展段階を指す。
- ✓産業革命や大英帝国の拡大を背景として、言語の標準化が急速に進んだ。
- ✓二人称単数代名詞(thou等)から複数形(you等)への統合が定着した。
- ✓科学的合理主義の高揚に伴い、文法書や辞典の編纂が盛んに行われた。
後期近代英語(Late Modern English)とは、英語の歴史的区分のひとつであり、一般におよそ18世紀半ばから現在に至るまでの時期を指す英語の発展段階をいいます。1500年頃から始まる近代英語全体の後半部分にあたり、初期近代英語期を経て、現代へと続く英語の標準化や語彙の拡大が急速に進んだ時代です。
初期近代英語との違いと背景
1500年頃から1650年頃までの初期近代英語期では、大母音推移による音声上の大きな変化や、ウィリアム・シェイクスピアの創作活動、1611年の欽定英訳聖書の出版などが特徴でした。これに対し、後期近代英語期は産業革命や大英帝国の拡大を背景としています。
言語的特徴と文法の変化
後期近代英語期における顕著な文法上の変化のひとつとして、人称代名詞の整理が挙げられます。かつて用いられていた二人称単数形の代名詞(thou, thy, thee, thine)が次第に使われなくなり、複数形であった(ye, your, you, yours)に統合される過程が完了に近づきました。これにより、親称と敬称の区別が失われ、youが単数・複数を問わず広く使用されるようになりました。
標準化と辞書・文法書の編纂
産業革命による科学的合理主義の高揚に伴い、言語の標準化や規範化の必要性が高まりました。この時期には、言語のルールを固定化・規範化するための文法書や辞典の編纂が盛んに行われました。著名な例として、サミュエル・ジョンソンによる辞書編纂や、ジョナサン・スウィフトらの言語に対する規範的アプローチが挙げられます。また、のちの時代には『オックスフォード英語辞典』の編纂事業へとつながる基盤が形成されました。
関連項目
- 近代英語
- 初期近代英語
- 古英語
- 中英語
- サミュエル・ジョンソン
- ジョナサン・スウィフト
- 規範文法
- オックスフォード英語辞典
よくある質問
後期近代英語とはどのような時期ですか?
およそ18世紀半ばから現在に至るまでの英語の発展段階を指します。初期近代英語期に続く時代であり、産業革命や言語の標準化が特徴です。
後期近代英語で起きた文法上の大きな変化は何ですか?
二人称単数代名詞(thouなど)が使われなくなり、複数形であるyouに統合されて単数・複数兼用として定着したことが挙げられます。
なぜこの時期に辞書や文法書の編纂が盛んになったのですか?
産業革命や科学的合理主義の高揚を背景に、言語を標準化・固定化する必要性が高まったためです。
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近代英語初期近代英語古英語中英語規範文法オックスフォード英語辞典
参考文献
ファウスト・チェルチニャーニ 『Shakespeare's Works and Elizabethan Pronunciation』 Oxford University Press, 1981.