古生物学・植物学

リンボク(化石植物)の生態と特徴

リンボク(化石植物)の生態と特徴
石炭紀の湿地帯に繁茂した古代の木本植物「リンボク(Lepidodendron)」の形態、生息環境、系統に関する詳細な解説。

📌 主なポイント

  • リンボクは石炭紀の湿地帯を中心に繁茂した、化石として知られる木本性の小葉植物である。
  • 大きな個体では樹高が40メートル、幹の直径が2メートルに達した。
  • 茎の表面には、葉が脱落した跡である「葉枕」が鱗状に残る特徴がある。

リンボク(鱗木、学名:Lepidodendron)は、およそ石炭紀を中心に繁茂し、化石としてのみその存在が知られている大型の木本性小葉植物の一属である。現生のミズニラ類やイワヒバ類に類縁を持つグループとして位置づけられている。なお、現生のバラ科に属する同名の樹木「リンボク(橉木)」とは分類学的に一切の関連はない。

名称の由来と形態的特徴

学名の Lepidodendron は、ギリシア語で「鱗」を意味する「lepis」と「木」を意味する「dendron」の合成語である。和名の「鱗木」とともに、生育に伴って脱落した葉の基部(葉枕)が幹の表面に独特な鱗状の模様として残されることに由来している。

成熟した個体は非常に巨大で、樹高は一般的に30メートルから35メートル、大きなものでは40メートルに達し、基部の直径は1メートルから2メートルに及んだ。植物体の基部には、リゾモルフ(担根体)と呼ばれる器官である「スティグマリア」が発達し、ここから二又分枝を繰り返す根を広げていた。

解剖学的特徴

リンボクの茎やリゾモルフは原生中心柱または管状中心柱を持ち、維管束組織と二次木部を形成していた。現生の種子植物とは異なり、二次木部は数センチメートル程度の厚さに過ぎず、主にコルク形成層から発達した厚い周皮によって茎全体の肥大成長が支えられていた。この周皮の成長に伴い、古い幹の表面にあった葉枕や葉痕は徐々に目立たなくなっていった。

生態と繁茂期

リンボク類は、同じく石炭紀の湿地帯を代表するフウインボクやトクサ類のロボクなどとともに、当時の巨大な森林の主要な構成要素であった。特に低緯度の湿地帯に多く分布し、後期石炭紀中期(約3億700万年前頃)には全盛期を迎え、当時の石炭バイオマスの大部分を占めたとされる。しかし、その後の気候変動や環境の変化に伴って急速に衰退していった。

よくある質問

リンボクとはどのような植物ですか?
石炭紀に繁茂した化石植物であり、ミズニラ類などに近縁な大型の木本性小葉植物の一属です。
「鱗木」という名前の由来は何ですか?
葉が脱落した後に茎の表面へ鱗状の模様(葉枕)が残ることに由来しています。
現代の植物に例えると何に近いですか?
現生のミズニラ科やイワヒバ科といった小葉植物のグループに類縁関係があります。

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参考文献

  • 西田治文 『化石植物の自然史』 東京大学出版会、2017年。
  • 長谷部光泰 『陸上植物の形態と進化』 裳華房、2020年。
  • DiMichele, W. A., & Bateman, R. M. (1996). The Rhizomorphic Lycopsids: A Case-Study in Paleobotanical Classification.