科学技術
ライダー(LiDAR)技術の概要と応用分野

レーザー光を用いたリモートセンシング技術であるLiDAR(ライダー)の原理、構成要素、自動運転や大気観測、文化財保護などの多彩な応用分野について解説します。
📌 主なポイント
- ✓LiDARはレーザー光を用いて対象物までの距離や空間情報を測定するリモートセンシング技術である。
- ✓レーダーと比較して波長が短いため、エアロゾルや雲の粒子などの小さな対象の検出に適している。
- ✓自動運転支援、地殻変動の測定、大気観測、文化財の3D計測など幅広い分野で利用されている。
LiDAR(ライダー、英語: light detection and ranging)は、レーザー光を対象物に照射し、反射して戻ってくるまでの時間や光の特性を検出することで、距離や空間情報を測定する能動型のリモートセンシング技術である。
原理と特徴
レーダーが電波を使用するのに対し、LiDARは紫外線、可視光線、近赤外線といった比較的短い波長の電磁波を用いる。発光してから反射光を受光するまでの時間差を計測することで対象までの距離を算出する仕組みであり、レーザーレーダーと呼ばれることもある。波長が極めて短いため、大気中の微小なエアロゾルや雲の粒子、小さな物体による後方散乱を捉えることに優れている。
システム構成
LiDARシステムは、主に以下の要素で構成される。
- レーザー光源:用途や波長(近赤外線や可視光など)に応じて選定される。
- スキャナと光学系:レーザー光を空間的に走査し、広範囲の情報を取得する機構。MEMS技術を用いた小型ミラーなども活用されている。
- 受光器と電子機器:フォトダイオードなどを用いて反射光を検出し、信号処理を行う。
- ポジショニングとナビゲーション:航空機や人工衛星などの移動体に搭載する際、絶対的な位置と方向を決定するためのGPSや慣性誘導装置。
主な応用分野
自動運転技術
高度な運転支援システムや自動運転車において、カメラやミリ波レーダーを補完するセンサーとして活用されている。高精度な距離計測能力を持つ一方、コスト削減やAIによる画像認識技術の進展に伴い、センサー構成の選択肢は多様化している。
地質学・大気測定・環境観測
航空機や衛星に搭載されたルックダウン型のシステムは、地殻変動の測定、氷河や森林の観測、大気中の成分や風速の測定などに用いられている。
文化財保護と考古学
レーザー光が植生の隙間を透過して地表面に届く性質を利用し、森林に覆われた地域にある遺跡や微細な起伏を非破壊で調査する用途で活用されている。また、建造物や彫刻などの3次元デジタル化による記録保存にも応用されている。
よくある質問
LiDARの名称の由来は何ですか?
Light Detection and Ranging(光による探知と測距)の頭文字をとった略称です。
レーダーとLiDARの主な違いは何ですか?
レーダーがマイクロ波などの電波を使用するのに対し、LiDARはより波長の短い光(レーザー光)を使用する点が異なります。
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参考文献
- What is lidar?, NOAA Ocean Service, 2024-06-16.
- The Basics of LiDAR - Light Detection and Ranging, NEON Science, 2024-09-13.