地形学

石灰岩舗石の地形学的特徴と形成プロセス

石灰岩舗石の地形学的特徴と形成プロセス
平たんな表面の石灰岩からなる天然カルスト地形である石灰岩舗石について、氷河作用による形成プロセスや構成要素、世界的な分布地域を詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • 石灰岩舗石は、平たんな表面の石灰岩からなる人工の舗装に似た天然カルスト地形である。
  • 氷河が覆土を削り取り、水平層状の石灰岩が露出したのちに形成される。
  • 流水による侵食により、板状の岩塊であるクリントと裂け目のグライクが形成される。

石灰岩舗石(せっかいがんほせき、英語: limestone pavement)は、平たんな表面を持つ石灰岩から構成され、人工的な舗装を想起させる独特の模様を持つ天然のカルスト地形です。おもにイギリスやアイルランドの地域で広く見られ、他地域における類似の地形はアルヴァーとも呼ばれます。

ヨークシャーデールズのイングルバラとペニゲントの間にある石灰岩舗石
ヨークシャーデールズ・ イングルバラ と ペニゲント の間にある石灰岩舗石

形成プロセス

石灰岩の舗床が形成される基本的な条件は、前進する氷河によって覆土が削り取られ、水平に層状堆積した石灰岩が露出することにあります。その後、氷河が後退することで、平坦で露岩した表面が残されます。

マルハム・コーブ上の石灰岩舗石
マルハム・コーブ上の石灰岩舗石

石灰岩は水、とりわけ酸性雨に対してわずかな溶解性を示します。そのため、石灰岩の節理や割れ目に沿った侵食性の流水によって、板状の岩塊であるクリント(clint)と、それらを隔絶する深い裂け目であるグライク(grike, gryke)が形成されます。これらの用語は北イングランドの方言に由来しています。グライクが比較的直線的で、クリントが一ような大きさを持つ場合、人工の敷石のような規則的な外観が顕著になります。

ジュリア・アルプス山脈のズゴルニア・コムナにある石灰岩舗石
ジュリア・アルプス山脈 ・ズゴルニア・コムナ(Zgornja Komna)の石灰岩舗石

主な分布地域

石灰岩舗石は、世界各地のかつて氷河に覆われていた石灰岩環境において確認されています。

イングランド・カンブリア州オートンフェルズの石灰岩舗石
イングランド ・カンブリア州 オートンフェルズ の石灰岩舗石
  • 北イングランドのヨークシャー・デールズやカンブリア(イングルバラ麓のマルハム・コーブなど)
  • アイルランド・クレア県のバレン
  • スウェーデン・エーランド島のストラ・アルヴァレット
  • ニューファンドランド島・グレート・ノーザン半島
  • フランスアルプスのデゼル・ド・プラテ

よくある質問

石灰岩舗石とはどのような地形ですか?
平たんな表面を持つ石灰岩から構成され、まるで人工的な敷石や舗装のように見える天然のカルスト地形です。
クリントとグライクとは何ですか?
クリントは酸性雨などの流水による侵食で形成された板状の岩塊であり、グライクはそれらを隔絶する深い裂け目を指します。
石灰岩舗石はどのような環境で形成されますか?
かつて氷河におおわれていた地域で、氷河が覆土を削り取って水平な石灰岩層を露出させ、その後の氷河後退によって平坦な表面が残されることで形成されます。

関連記事

カルスト地形氷河地形侵食作用石灰岩

参考文献

  • Limestone Pavement Conservation - Introduction
  • Limestone Pavement Conservation - Geology and geomorphology
  • Limestone Pavement Conservation - Where to visit a limestone pavement
  • Limestone Barrens Habitat Stewardship Program
  • Refuge de Platé - Geology