陸水学の概要と研究対象
📌 主なポイント
- ✓陸水学は、海洋を除く内陸のあらゆる水塊(湖、河川、地下水など)を対象とする総合科学である。
- ✓語源はギリシャ語の「limne(湖)」と「logos(学術)」に由来する。
- ✓1922年にアウグスト・ティーネマンとアイナル・ナウマンによって国際理論応用陸水学会(SIL)が設立された。
- ✓日本陸水学会は1931年に創立され、川村多実二らが中心となって名称が選定された。
陸水学(りくすいがく、英: Limnology)は、科学的な手法を用いてあらゆる内陸水(inland waters)を調査・研究する学問分野です。生態系としての陸水の構造や機能を解明することを主目的とする総合科学であり、湖、沼、池、ダム湖、河川、渓流、湿地、地下水、温泉、雪氷など、海洋以外の地表および地下に存在する水塊を対象としています。
研究の定義と範囲
陸水学の語源は、ギリシャ語で「湖」を意味する「limne」と「学術」を意味する「logos」に由来します。当初は湖沼を中心とした研究でしたが、測定技術の発展とともに、内陸に存在するあらゆる水塊を包括する学問へと拡大しました。現在では、淡水のみならず塩水を含む内陸水域全般を対象としており、物質循環や生態系の動態を解明する環境科学の基礎としても重要な役割を担っています。
歴史的背景
陸水学の開拓者として知られるのは、スイスのフランソワ=アルフォンス・フォーレル(1841-1912)です。彼はレマン湖の調査を通じて「湖の海洋学」としての陸水学を提唱しました。その後、1921年にドイツの動物学者アウグスト・ティーネマンとスウェーデンの植物学者アイナル・ナウマンが、陸水学を湖沼だけでなく陸水全般を扱う科学として再定義しました。1922年には、両氏によって国際理論応用陸水学会(SIL)が設立されました。
日本における陸水学は、1899年に山中湖の測深を行った田中阿歌麿らの研究が先駆けとされています。1931年には日本陸水学会が創立され、川村多実二らによって「陸水学」という名称が選定されました。
主要な研究対象
陸水学は、物理的、化学的、生物学的な側面から陸水域を分析します。対象となる水塊は以下の通りです。
- 止水域:湖、沼、池、ダム湖など
- 流水域:河川、渓流など
- その他:湿地、地下水、温泉、雪氷など
これらの水域における生物多様性や、人間活動と水環境の関わりを研究する応用陸水学も、現代社会においてその重要性を増しています。
よくある質問
陸水学と海洋学の違いは何ですか?
陸水学は淡水のみを対象としますか?
陸水学の主な研究目的は何ですか?
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参考文献
- 日本陸水学会 (2006). 陸水の事典. 講談社. ISBN 4-06-155221-X.
- Horne, A.J., & Goldman, C.R. (1994). Limnology. ISBN 0-07-023673-9.
- Wetzel, R.G. (2001). Limnology: Lake and River Ecosystems (3rd ed.). Academic Press. ISBN 0-12-744760-1.
- 日本陸水学会. "陸水学(Limnology)とは". http://www.jslim.jp/?page_id=144