音響学

ラウドネス(音の大きさ)の心理物理学的特性と測定方法

ラウドネス(音の大きさ)の心理物理学的特性と測定方法
音の大きさ(ラウドネス)の知覚的性質、ソーンやフォンによる測定方法、算定ラウドネスレベルの規格、およびオーディオ等への応用について解説します。

📌 主なポイント

  • 音の大きさ(ラウドネス)は聴覚に係る音の属性の一つであり、音の知覚的大小を表す心理量である。
  • ソーン(sone)は音の大きさの絶対値を表し、40 dB・1,000 Hzの純音が1 soneと定義される。
  • フォン(phon)はラウドネスレベルの単位であり、1,000 Hzの純音の音圧レベルに等しい値として表される。
  • 算定ラウドネスレベルの算出方法としては、ISO 532-1に基づくZwicker法やISO 532-2に基づくMoore-Glasberg法が国際標準化されている。

音の大きさラウドネス、英: loudness)とは、聴覚に係る音の属性の一つであり、人間の知覚における音の大小を表す心理量である。音圧や周波数といった物理的特性に左右されながらも、人間が主観的にどのように感じるかを対象とする。

性質

音の大きさは、音の高さや音色とともに「音の3属性」を構成する。物理的に直接測定することはできないが、基本的には音のエネルギー(音強さや音圧)の増加に伴って大きさを増す。

周波数とマスキングの影響

ヒトの聴覚は音波の周波数によって感度が異なるため、同じ音圧レベルであっても周波数が異なれば感じるラウドネスも異なる。等ラウドネスレベル曲線からは、ヒトが約 4 kHz 周辺の純音に対して最も鋭敏であることが示されている。また、複数の周波数成分が含まれる複合音においては、特定の周波数成分が別の成分を聞こえにくくさせる周波数マスキングが生じ、ラウドネスの評価に影響を与える。

測定方法

音の大きさは心理量であるため、従来は聴取者による主観評価実験を基礎として測定されてきた。

ソーン(sone)

ソーンは音の大きさの絶対値を表す単位である。平面波として前方から提示された音圧レベル 40 dB、周波数 1,000 Hz の純音を聴いた際に感じる大きさが 1 sone と定義される。

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よくある質問

ソーンとフォンの違いは何ですか?
ソーン(sone)は人間の感じる音の大きさの比率を表す尺度(ラウドネス)の単位であり、フォン(phon)は1,000 Hzの純音を基準とした音の大きさのレベル(ラウドネスレベル)を表す単位です。
等ラウドネス曲線とは何ですか?
周波数の異なる純音が、人間にとって同じ大きさ(ラウドネスレベル)に聞こえるときの音圧レベルを結んだ曲線です。ヒトの聴覚感度が周波数によって異なることを示しています。
算定ラウドネスレベルとはどのように求められますか?
等ラウドネス曲線や聴覚のマスキング特性を反映したモデルを基に、音声信号の物理量から計算によってラウドネスレベルを算定する方法です。ISO 532-1(Zwicker法)やISO 532-2(Moore-Glasberg法)などで規格化されています。

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等ラウドネス曲線音圧レベル騒音計聴覚音声信号処理

参考文献

日本産業規格『JIS Z 8106:2000 音響用語』。
難波精一郎「知っているようで知らないラウドネス」日本音響学会誌 73巻12号, 2017年。
安藤彰男・鈴木陽一・古川茂人『基礎音響学』コロナ社, 2019年。