宇宙開発
M-Vロケットの技術と歴史的背景

文部省宇宙科学研究所(ISAS)とJAXAが開発・運用した全段固体燃料ロケット「M-Vロケット」の構造、技術的特徴、歴史について解説します。
📌 主なポイント
- ✓M-Vロケットは文部省宇宙科学研究所(ISAS)およびJAXAが開発した全段固体燃料ロケットである。
- ✓1997年から2006年の間に合計7機が打ち上げられ、6機が成功した。
- ✓内之浦宇宙空間観測所から斜め打ち上げ方式で発射されていた。
M-Vロケット(ミューファイブロケット)は、文部省宇宙科学研究所(ISAS)およびその後継機関である宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、日産自動車宇宙航空事業部(現・IHIエアロスペース)と共同で開発し、運用していた3段式の全段固体燃料ロケットである。
概要
ミューロケットシリーズの第2期計画であるABSOLUTE計画の第2段階として提案された。第1段階のM-3SIIロケットによる惑星・彗星探査の成功を受け、惑星探査能力の向上を目的として1990年から開発が開始された。1997年の1号機打ち上げ以降、7機の打ち上げが行われ6機が成功を収めたが、コスト面の課題などから2006年に廃止が決定された。
技術的特徴
全長は約30m、総質量は約140tであり、当時の固体燃料ロケットとしては世界最大級の規模を誇った。発射時の安全性を考慮し、内之浦宇宙空間観測所の海側に傾けたレールランチャーを用いた斜め打ち上げ方式が採用されていた。また、機体ごとに積荷の仕様に合わせて調整される特注生産体制がとられていた。
後継への影響
M-Vロケットの開発・運用を通じて培われた固体燃料関連の技術や知見は、のちにH-IIA/H-IIBロケットの固体ロケットブースター(SRB-A)や、小型科学衛星の打ち上げを担うイプシロンロケットなどの国産ロケットへ継承された。
よくある質問
M-Vロケットは何段式のロケットですか?
M-Vロケットは3段式の全段固体燃料ロケットであり、オプションでキックモーターを搭載することも可能でした。
M-Vロケットの開発・運用主体はどこですか?
文部省宇宙科学研究所(ISAS)およびその後継機関である宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、IHIエアロスペース(旧・日産自動車宇宙航空事業部)などと共同で開発・運用を行いました。
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参考文献
- 宇宙航空研究開発機構 (2004年3月25日). “世界におけるロケットの現状”.
- 文部科学省宇宙開発委員会推進部会 次期固体ロケットプロジェクトの事前評価結果 付録2 - 次期固体ロケットについて - 宇宙航空研究開発機構 宇宙基幹システム本部 固体ロケット研究チーム 森田泰弘 / 2007年8月27日
- 今後のM-Vロケット等について(JAXAプレスリリース) / 2006年7月26日