物理学
磁場(物理学)

磁場は、電流や磁性体によって空間に形成される物理的な場です。本記事では、磁場の定義、物理学的な性質、および電流との関係について解説します。
📌 主なポイント
- ✓磁場は、電流や磁性体、時間変化する電場によって空間に形成されるベクトル場である。
- ✓磁場を記述する主要な物理量には「磁束密度(B)」と「磁場の強さ(H)」があり、これらは異なる次元を持つ。
- ✓電流の周囲に磁場が生じる現象は、特殊相対論的な効果として解釈される。
磁場(じば、英語: magnetic field)は、電気的現象および磁性的現象を記述するための物理的概念であり、空間の各点において向きと大きさを持つベクトル場です。工学分野では「磁界(じかい)」と呼ばれることもあります。
物理的定義と性質
空間のある地点に荷電粒子、電流、磁性体、あるいはスピンを持つ粒子を置いた際、その物体が磁気力を受ける場合、その地点には磁場が存在すると定義されます。磁場は、電流や時間変化する電場、あるいは物質の磁気モーメントによって生成されます。
磁場を記述する物理量には、主に磁束密度(B)と磁場の強さ(H)の二つがあります。これらは国際単位系(SI)において異なる次元を持つ独立した物理量であり、真空中の透磁率を介して一定の関係にあります。
磁場の源
磁場を生成する主な源は以下の通りです。
- 電流(直流および交流)
- 電子のスピンや軌道運動
- 時間変化する電場(変位電流)
- 荷電粒子の運動
- 物質の磁気的性質(強磁性、常磁性、反磁性など)
現代の物理学において、電流の周囲に生じる磁気の作用は、電荷の運動に伴う特殊相対論的な効果として説明されます。
マクスウェル方程式との関係
磁場は、電磁気学の基礎であるマクスウェルの方程式において重要な役割を果たします。特にアンペールの法則は、閉じた曲線上の磁場が、その曲線を貫く電流の総量と対応することを示しています。また、時間変化する電場が存在する場合、変位電流の項が加わることで電磁波の放射が導かれます。
よくある質問
磁場と磁界の違いは何ですか?
物理学の学術的な文脈では「磁場」と呼ぶのが一般的ですが、工学分野では「磁界」と呼ばれることもあります。指し示す物理的実体は同じです。
磁場は何によって生じますか?
主に電流、電子のスピンや軌道運動、時間変化する電場、および物質の磁気モーメントによって生成されます。
磁束密度と磁場の強さはどう違いますか?
両者は国際単位系において異なる次元を持つ独立した物理量です。真空中の透磁率を介して関連付けられていますが、文脈に応じて使い分けられます。
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電場磁束密度マクスウェル方程式アンペールの法則ローレンツ力
参考文献
- 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版、産業技術総合研究所、2020年。
- 佐藤憲史「相対論的な効果としての磁場について」『沼津工業高等専門学校研究報告』51巻、2017年。
- E.M. Purcell, Electricity and Magnetism, McGraw-Hill, 1963.
- R.P. Feynman, R.B. Leighton, M. Sands, Lectures on Physics, Vol. 2, Addison-Wesley, 1964.