物理学

磁気抵抗(リラクタンス)の基礎と物理的定義

磁気抵抗(リラクタンス)の基礎と物理的定義
磁気回路における磁束の流れにくさを表す磁気抵抗(リラクタンス)の定義、計算式、および電気抵抗とのアナロジーについて解説します。

📌 主なポイント

  • ✓磁気抵抗は磁気回路における磁束の流れにくさを表す。
  • ✓起磁力を磁束で割った値として定義される。
  • ✓電気回路の電気抵抗とアナロジーの関係にある。
  • ✓磁気抵抗の逆数はパーミアンスと呼ばれる。

磁気抵抗(じきていこう、英: magnetic reluctance)は、磁気回路において磁束の流れにくさを表す物理量です。リラクタンスとも呼ばれ、電気回路における電気抵抗と対比される概念として広く用いられます。

定義と計算式

磁気抵抗 Rm は、磁気回路に生じる起磁力 Fm と、その回路を流れる磁束 Φ の比として定義されます。この関係はホプキンソンの法則と呼ばれ、電気回路におけるオームの法則(R = E / I)と数学的なアナロジーの関係にあります。

磁気抵抗の定義式
磁気抵抗の定義式

磁気回路が一様である場合、磁気抵抗は以下の式で算出されます。

磁気抵抗の計算式
磁気抵抗の計算式(l:長さ、A:断面積、μ:透磁率)

ここで、l は磁路の長さ、A は断面積、μ は物質の透磁率を表します。透磁率が高い物質ほど磁気抵抗は小さくなり、磁束が通りやすくなる性質があります。

物理的背景

磁気抵抗の概念は、19世紀後半にジェームズ・ジュールによる磁気抵抗の言及を経て、1888年にオリヴァー・ヘヴィサイドによって導入されました。磁束は常に閉曲線を描く性質を持ちますが、その経路は周囲の磁気抵抗が最小となるような空間を選択します。空気や真空は磁気抵抗が高く、軟鉄などの強磁性体は磁気抵抗が低いため、磁束は磁気抵抗の低い物質に集中する傾向があります。

パーミアンス

磁気抵抗の逆数はパーミアンス(permeance)と呼ばれ、磁束の通りやすさを表す指標として用いられます。

パーミアンスの定義
パーミアンスの定義式

よくある質問

磁気抵抗と磁気抵抗効果は同じものですか?
いいえ、全く別の概念です。磁気抵抗(リラクタンス)は磁気回路の特性を表す物理量ですが、磁気抵抗効果(magnetoresistance)は磁場によって物質の電気抵抗が変化する現象を指します。
磁気抵抗の単位は何ですか?
国際単位系(SI)では、アンペア毎ウェーバ [A/Wb] です。
磁気抵抗が低い物質とはどのようなものですか?
透磁率が高い物質(軟鉄などの強磁性体)は磁気抵抗が低く、磁束を通しやすい性質があります。

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参考文献

  • Oliver Heaviside, "Electromagnetic Theory", 1893.
  • James Joule, "On the effects of magnetism upon the dimensions of iron and steel bars", 1847.