地球科学
マントル (天体)

マントルは、惑星や衛星などの天体内部において、核の外側を覆う層のことです。地球のマントルの構造、構成成分、および調査方法について解説します。
📌 主なポイント
- ✓マントルは天体の核の外側を覆う層であり、地球では地殻の下から深さ約2,900 kmまで広がる。
- ✓地球のマントルは地震波の観測により、660 kmの不連続面を境に上部マントルと下部マントルに分けられる。
- ✓マントルの構成物質は、圧力と温度の変化に伴い結晶構造が変化する「相転移」を起こす。
- ✓リソスフェア、アセノスフェア、メソスフェアといった力学的な層区分が存在する。
マントル(英語: mantle)は、惑星や衛星などの天体内部において、中心部の核(コア)の外側を覆う層のことです。名称はフランス語の「マント(manteau)」に由来し、核を包み込む構造を指しています。地球型惑星においては、金属からなる核に対し、マントルは主に岩石で構成されています。
地球のマントル
地球のマントルは、地殻の下層から深さ約2,900 kmまでの広大な領域を占めています。地殻との境界はモホロビチッチ不連続面(モホ面)と呼ばれ、地震波の速度が急変することから観測されます。一方、マントルと外核の境界はグーテンベルク不連続面と呼ばれます。

成層構造
マントル内部は深度に応じて温度と圧力が上昇し、鉱物の結晶構造が変化する「相転移」が起こります。特に深さ660 kmの不連続面を境に、上部マントルと下部マントルに大別されます。
- 上部マントル:かんらん石を主成分とします。
- 下部マントル:ペロブスカイト相などが存在し、より高密度な構造をとります。

力学的分類
力学的な性質に基づくと、マントル上部は以下のように分類されます。
- リソスフェア:地殻を含む最上部の剛性の高い層。プレートテクトニクスのプレートに相当します。
- アセノスフェア:リソスフェアの下に位置する、流動性を有する層。
- メソスフェア:マントルの大部分を占める固体層。

調査方法
マントルは直接到達することが困難な領域であるため、主に地震波トモグラフィーを用いた解析が行われています。また、地表に露出したマントル由来の岩石(オフィオライトやキンバーライト)の分析や、高圧実験装置を用いた地球内部環境の再現実験を通じて、その組成や物性が研究されています。

地球以外の天体
地球型惑星や大型の岩石衛星も、地球と同様の層構造を持つと推定されています。木星型惑星では水素がマントルを形成し、氷衛星では氷の層がマントルとして機能していると考えられています。
よくある質問
マントルと地殻の境界は何と呼ばれますか?
モホロビチッチ不連続面(モホ面)と呼ばれます。
マントルはどのような物質で構成されていますか?
地球の上部マントルは主にかんらん岩から構成されており、深部では圧力によりペロブスカイト相などの高密度な鉱物へと変化します。
マントルはどのように調査されていますか?
主に地震波の伝わり方を解析する地震波トモグラフィーや、高圧実験、および地表に現れたマントル由来の岩石の分析によって調査されています。
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参考文献
- Lowrie, William (2007). Fundamentals of geophysics (2nd ed.). Cambridge University Press.
- 松原聰『ダイヤモンドの科学 - 美しさと硬さの秘密』講談社, 2006年。
- 地球の構造 地質調査総合センター (https://www.gsj.jp/geology/geology-japan/geology-earth/index.html)
- JAMSTECまんとるプロジェクト (https://www.jamstec.go.jp/ods/j/mantle/)