民族
マオリ:ニュージーランドの先住民族

ニュージーランドの先住民族マオリの歴史、文化、社会構造、および現代における状況について解説します。
📌 主なポイント
- ✓マオリはポリネシア系にルーツを持つニュージーランドの先住民族である。
- ✓1840年にイギリス政府との間でワイタンギ条約が締結された。
- ✓伝統的な舞踊「ハカ」は、戦士の儀式や歓迎の挨拶として知られる。
マオリ(Māori)は、アオテアロア(ニュージーランド)の先住民族であり、ポリネシア系の人々にルーツを持つ。彼らは9世紀から10世紀頃にかけて、クック諸島やタヒチなどのポリネシア地域からカヌーで移住してきたと考えられている。

歴史と起源
マオリの神話では、伝説的な航海者クペが「ハワイキ」から来航し、その後に「大艦隊」と呼ばれる7艘の航海カヌー(ワカ)に乗った人々が移住したと伝えられている。考古学的な見地からは、移住は800年〜1000年ほど前と推定されており、当初は狩猟採集生活を送っていたが、ニュージーランドの温帯気候に適応するために農耕を取り入れた。

人口の増加に伴い「イウィ」と呼ばれる部族社会が形成され、防衛のための要塞村「パ」が築かれた。19世紀に入りイギリスの植民地化が進むと、1840年にワイタンギ条約が締結された。しかし、条文の解釈を巡る対立から1860年代にはニュージーランド戦争が発生した。
文化と社会
マオリの文化は、伝統的な集会所である「マラエ」を中心に継承されている。身体装飾としての刺青や、戦いの前や歓迎の挨拶で披露される民族舞踊「ハカ」は、世界的に広く知られている。また、伝統芸能である「ポイ」も文化的な象徴の一つである。

現代の状況
1970年代以降、マオリの文化復興を目指す「マオリ・ルネッサンス」運動が展開されている。一方で、非先住民族との平均寿命の差や、社会経済的な課題も依然として存在している。マオリ王(キンギタンガ)の存在は、法的な権限は持たないものの、文化的・象徴的な指導者として尊重されている。
よくある質問
マオリという言葉の由来は何ですか?
マオリ語で「普通」を意味し、西洋人と区別するために「普通の人間」を指す言葉として使われ始めたとされています。
マオリ王とはどのような存在ですか?
19世紀に始まったキンギタンガ運動に基づく象徴的な存在であり、法的な権力はありませんが、文化的・社会的に重要な役割を担っています。
アオテアロアとは何ですか?
ニュージーランドの先住民マオリによる呼称で、「白く長い雲がたなびく地」という意味があります。
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参考文献
- 石森秀三「マオリ(ニュージーランド):植民地化と民族主義運動」『文化人類学7』アカデミア出版、1990年。
- 片山一道『身体が語る人間の歴史 人類学の冒険』筑摩書房、2016年。
- ニュージーランド政府観光局「初期開拓の歴史」