軍事・国際安全保障
大量破壊兵器の歴史と定義および国際的規制

大量破壊兵器(WMD)の定義や歴史的背景、核・生物・化学兵器の種類、および国際的な不拡散体制に関する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓大量破壊兵器(WMD)は、一般的に核兵器、生物兵器、化学兵器の総称として用いられる。
- ✓「Weapons of mass destruction」という語の記録上の初出は1937年のロンドン・タイムズ紙である。
- ✓2004年のイラク調査団の最終報告書により、イラク戦争当時、同国内に大量破壊兵器は存在しなかったことが確認された。
大量破壊兵器(たいりょうはかいへいき、英語: Weapon of mass destruction、略称: WMD)とは、人間を大量に殺傷すること、または建造物などの人工構造物に多大な破壊をもたらすことが可能な兵器の総称である。一般的には、核兵器、生物兵器、化学兵器の3種類(放射能兵器を含めて4種類)を指して用いられ、頭文字をとってNBC兵器などとも呼ばれる。

定義と歴史的背景
通常の用法では、核兵器、生物兵器、化学兵器の総称として使われている。記録上、この語の最も古い使用例としては、1937年のロンドン・タイムズ紙において、スペイン内戦や日中戦争における爆撃機を指して用いられたものが挙げられる。
第二次世界大戦における核兵器の実用化を経て、1948年の国際連合通常軍備委員会において、大量破壊兵器は核・化学・生物兵器およびそれに類するものと定義された。その後も、1955年のラッセル=アインシュタイン宣言や、1991年の湾岸戦争終結時の国連安保理決議などで主要な規制対象として言及されている。

国際的な不拡散と規制
大量破壊兵器の拡散は国際的な安全保障における重大な不安定要因とみなされている。このため、長距離ミサイルなどの運搬手段とあわせて、輸出管理や条約による国際的な協調体制が構築されてきた。2004年の国際連合安全保障理事会決議1540では、テロリズムによる取得防止に向けた各国の法制度整備が求められている。
イラク戦争における検証
2003年のイラク戦争開始にあたっては、イラクによる大量破壊兵器の保有疑惑が主な根拠の一つとされた。しかし、戦闘終結後の調査において兵器は発見されず、2004年10月の米上院公聴会に提出された最終報告書(デュエルファー・リポート)において、イラク国内に大量破壊兵器は存在しなかったことが報告されている。
よくある質問
大量破壊兵器にはどのような種類が含まれますか?
一般的には核兵器、生物兵器、化学兵器の3種類、または放射能兵器を加えた4種類を指します。
「大量破壊兵器」という言葉はいつ頃から使われていますか?
記録上では1937年のロンドン・タイムズ紙の記事で使用されたのが最も古い例とされています。
イラク戦争において大量破壊兵器は発見されましたか?
戦後の調査団による捜索の結果、大量破壊兵器は発見されなかったことが最終報告書で明らかにされています。
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参考文献
- Will Mallon. “WMD: Where Did the Phrase Come from?”. History News Network. 2009年12月16日閲覧。
- “Archbishop's Appeal,” Times (London), 28 December 1937, p.