地理学・社会学
都市圏の定義と地域区分に関する包括的解説

都市圏の基本的な概念、国内外における定義や分類、日本国内における総務省や国土交通省による行政上の区分、民間研究による都市雇用圏について解説する事典記事。
📌 主なポイント
- ✓都市圏とは、中心都市およびその影響を受ける周辺地域・郊外を合わせた広域的な社会・経済的繋がりを持つ地域区分である。
- ✓日本国内では、総務省の国勢調査に基づく地域区分や国土交通省の基準、経済産業省やまち・ひと・しごと創生本部が採用する都市雇用圏など、多様な定義が存在する。
- ✓都市圏の形成や範囲を決定する指標として、主に通勤率や通学率、雇用求心力が利用される。
都市圏(英語: metropolitan area)とは、中心となる都市および、その影響を受ける周辺地域や郊外をひとまとめにした地域社会の集合体を指す。行政区分を越えた広域的な社会・経済的な繋がりを持つ地域区分のことである。
概要
現代の都市活動は広域化しており、市、区、町、村といった従来の行政単位の範囲を超えて展開されている。中心となる都心の影響が及ぶ範囲を含めてその都市の都市圏と呼び、各種の計画、事業、管理を考える際の枠組みとなっている。都市圏を形成する主要な指標としては、通勤や通学の割合(通勤率・通学率)が多く用いられている。
日本の都市圏の分類と定義
日本においては、国の機関による公的な定義のほか、研究用の定義など複数の基準が存在している。
国の機関による定義
総務省や国土交通省などの国の機関では、国勢調査などの統計データを利用して各種の都市圏を設定している。
- 国勢調査の統計上の地域区分(総務省):大都市圏の中心市として東京特別区部(東京23区)および政令指定都市を定め、周辺市町村については中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5%以上であり、かつ中心市と連接している地域などを対象としている。
- 国土交通省の定義:人口10万人以上で昼夜人口比率が100%以上の核都市に対し、周辺市町村からの通勤通学者が全通勤通学者の5%以上または500人以上である市町村を対象とする条件付の通勤通学圏である。
- 総務省の連携中枢都市圏:拠点都市が周辺市町村と連携協約を結ぶことで形成する制度。
民間の定義と都市雇用圏
経済学や地域研究の分野では、金本良嗣らによるDID(人口集中地区)人口を利用した都市雇用圏(10%通勤圏)が広く用いられている。都市雇用圏では、雇用求心力を基準に都市圏が設定されている。
世界の主な都市圏
国際的な比較においては、東京都市圏、ニューヨーク都市圏、ロンドン都市圏、パリ都市圏などがそれぞれの公的機関や統計局(アメリカ合衆国国勢調査局や欧州連合のユーロスタットなど)の基準に基づき定義されている。
よくある質問
都市圏とはどのようなものを指しますか?
中心となる都市と、その都市の影響を受ける周辺地域や郊外をひとまとめにした、行政区分を越えた広域的な社会・経済的繋がりを持つ地域区分のことです。
都市圏の範囲を決める際にはどのような指標が使われますか?
主に中心都市への通勤率や通学率、あるいは雇用の求心力などが指標として用いられます。
日本国内で都市圏を設定している機関にはどのようなものがありますか?
総務省や国土交通省といった国の機関のほか、経済産業省の分析、さらには民間研究者による都市雇用圏など複数の設定基準が存在します。
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都市雇用圏政令指定都市通勤率地方中枢拠点都市圏大都市圏
参考文献
- 日本の都市圏設定基準(東京大学都市経済学 金本良嗣研究室) 金本・徳岡「応用地域学研究」No.7, 1-15 (2002)
- 世界の諸都市と比較した東京の魅力 東京都都市整備局
- 平成26年度総合調査研究(地域経済の将来動向分析に関する調査研究) 経済産業省 2015年7月24日