マイクロ(接頭語・単位)の歴史と用法について
📌 主なポイント
- ✓マイクロ(micro、記号: μ)は国際単位系(SI)における接頭語で、10の-6乗(百万分の1)を示す。
- ✓語源は「小さい」を意味する古代ギリシャ語の「μικρός (mikros)」である。
- ✓SI接頭語および単位記号は、文章の書体に関わらず直立体(ローマン体)で表記することが規定されている。
マイクロ(英語: micro、記号: μ)は、国際単位系(SI)におけるSI接頭語の一つであり、基礎となる単位の10-6倍(百万分の一、0.000001倍)の量を示します。また、単位系における用法とは別に、「非常に小さい」という意味を持つ接頭辞としても広く用いられています。
語源と歴史的背景
「マイクロ」および「ミクロ」という言葉は、いずれも「小さい」という意味を持つ古代ギリシャ語の「μικρός (mikros、ミクロス)」に由来しています。
単位系の接頭語として最初に導入されたのは1874年のことで、英国科学振興協会(BA)がCGS単位系の電磁気単位を標準化する際、メガとともに新しく採用しました。当時は電気抵抗の単位であるマイクロオームや、電気容量の単位であるマイクロファラドにおいて使用されました。その後、1960年に開催された第11回国際度量衡総会(CGPM)においてSIが制定された際、正式に承認されました。
一方、単位とは関係なく「非常に小さいもの」を表す通常の接頭辞としての用例はさらに古く、1625年にジョバンニ・ファベールが顕微鏡を指す用語として「microscope」を造語したことに見ることができます。
国際単位系(SI)における表記規則
国際単位系(SI)の規定では、SI接頭語および単位記号は、その前後の文章の書体にかかわらず、直立体(ローマン体)で表記することが必須とされています。そのため、斜体(イタリック体)で「μ」と表記するのは誤りです。
マイクロを表す記号には、通常のギリシャ文字領域にある「μ」(U+03BC)と、Latin-1領域にあるマイクロ記号「µ」(U+00B5)が存在します。ユニコードコンソーシアムは前者のギリシャ文字を推奨していますが、環境によって斜体で表示される場合があるため、実装によってはマイクロ記号を用いることが推奨されています。両方を使用できない場合は、ラテン文字の「u」で代用されることもありますが、国際単位系の規定からは逸脱するものとなります。
発音の多様性
語源となったギリシャ語の発音や、英語以外のヨーロッパ言語(フランス語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語など)では一般に「ミクロ」と発日本では、明治時代に導入された際の文化的な影響や、第二次世界大戦後のアメリカ合衆国からの影響などの歴史的経緯を経て、単位としては英語式の発音である「マイクロ」が広く一般化しました。
よくある質問
マイクロとミクロの違いは何ですか?
マイクロを表す記号「μ」は斜体で書いてもよいですか?
マイクロという接頭語はいつから使われていますか?
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参考文献
- 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月。
- Adami, P. (ed.) (1991). Giovanni Faber (1574-1629) and the Term 'Microscope'. Rome: Academia Nazionale dei Lincei.