軍用機の歴史と発展の概要

📌 主なポイント
- ✓軍用機は国の軍事的活動のために運用される航空機であり、原則として軍隊のシリアルナンバーが付与される。
- ✓航空機の軍事利用の初期には熱気球や飛行船が偵察などの目的に使用された。
- ✓第一次世界大戦を経て戦闘機や爆撃機などの分科機能が確立された。
- ✓第二次世界大戦末期には世界初のジェット戦闘機であるMe262が誕生した。
軍用機(ぐんようき、military aircraft)は、国の軍事的活動のためにその国の機関が使用する航空機の総称である。一般に、軍隊のシリアルナンバーが付与されているものが軍用機、民間国籍の登録番号が付与されているものが民間機と区別されるが、要人輸送機など例外的に民間国籍記号を運用する事例も存在する。また、軍用機のうち武装を有するものは戦闘用航空機(combat aircraft)として区別される。

種類と分類
軍用機はその任務や運用方法に応じて多岐にわたる分類がなされる。主なものとして以下の種類が存在する。
- 戦闘機・戦闘爆撃機(支援戦闘機)・要撃機
- 爆撃機
- 攻撃機
- 偵察機・観測機
- 電子戦機・早期警戒機(AEW)・早期警戒管制機(AWACS)
- 対潜哨戒機・艦載対潜機
- 輸送機・練習機・連絡機
- 軍用ヘリコプター(攻撃ヘリコプター、汎用ヘリコプター)
- 無人航空機(UCAV)
- 垂直離着陸機
- COIN機、雷撃機、急降下爆撃機
歴史的背景
飛行機の出現前
航空機の軍事利用の端緒は熱気球であった。1794年6月26日、ベルギーのモーボーグに展開していたフランス陸軍が敵情偵察のために気球を利用したのが、人間が乗った気球の戦争における最初の使用例とされる。19世紀に入ると軍隊での利用が広がり、1861年のアメリカ南北戦争における北軍気球司令部や、三国同盟戦争でのブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ連合軍による利用などが記録されている。また、気球の原理を応用しエンジンを搭載した飛行船が登場し、ドイツではツェッペリンによって軍用飛行船の開発が進められた。
第一次世界大戦
ライト兄弟による飛行機の開発以降、各国で軍用航空機の導入が進められた。1892年にフランスが世界初の軍用航空機の製造契約を行ったのを皮切りに、アメリカやヨーロッパ各国で飛行部隊が相次いで編成された。1914年の第一次世界大戦勃発当初は、主に地上作戦の支援や偵察、連絡が目的であったが、やがて爆撃や戦闘機・爆撃機といった分科機能が確立されていった。1920年代初頭には日米英海軍によって航空母艦と艦載機の開発が進められた。
第二次世界大戦とジェット機の誕生
1920年代から1930年代にかけて、ジュリオ・ドゥーエらの影響のもとで制空権の獲得や戦略爆撃の重要性が主張され、各国で爆撃機が重視されるようになった。1939年の第二次世界大戦および1941年の太平洋戦争の勃発を経て、航空戦力が戦闘の主役に躍り出た。大戦末期にはドイツで世界初のジェット戦闘機であるMe262が誕生し、ヘリコプターも移動や哨戒の用途で実用化された。
第二次世界大戦後
大戦後、航空機はプロペラ機からジェット機への移行が進んだ。ベトナム戦争ではヘリコプターが攻撃任務にも投入された。さらに、技術の進歩に伴い高性能な多用途作戦機が登場したほか、自動制御技術の発展により巡航ミサイルや無人偵察機、無人攻撃機などの無人航空機(UAV)の導入が進められている。
よくある質問
軍用機と民間機の違いは何ですか?
航空機の軍事利用はいつから始まりましたか?
世界初のジェット戦闘機は何ですか?
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参考文献
戦史叢書52『陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで』。
山本親雄『大本営海軍部』朝日ソノラマ。