材料科学
木質材料の構造と分類解説
木質材料の定義、接着のメカニズム、面材料や軸材料といった多様な分類について詳しく解説する事典記事です。
📌 主なポイント
- ✓木質材料は、木材をエレメントに分解し、再構成した材料の最上位概念である。
- ✓木材は多孔質であり、接着時の機械的接着(アンカー効果)の恩恵を大きく受ける。
- ✓パーティクルボードとファイバーボードは総称して木質ボードと呼ばれる。
木質材料(もくしつざいりょう)とは、原料となる木材を大小の構成要素(エレメント)に分解し、それを再び構成して作られた材料の総称です。通常、製材しただけのものは木質材料には分類されません。製造されたエレメントは、主に接着剤を用いて軸材料や面材料へと再構成されます。
接着の原理と木質材料
木質材料の製造において重要な役割を果たすのが接着技術です。接着剤が被着材を接着する原理には、主に機械的接着、化学的接着、物理的接着の3種類が挙げられます。
- 機械的接着:多孔質の被着材の孔に接着剤が浸透して硬化し、釘や杭のような役割を発揮する仕組みです。アンカー効果や投錨効果とも呼ばれます。
- 化学的接着:被着材と接着剤の間で化学反応が起こり、分子同士が結合する仕組みです。
- 物理的接着:分子同士が引き合う分子間力(ファンデルワールス力)によって接着する仕組みです。
木材は多孔質であるため、接着において機械的接着の恩恵を強く受けます。この特性を活かすことで、単なる廃材の再利用にとどまらず、製材では得られない高い強度特性を持つ材料の製造が可能となります。
面材料の分類
建築において床、壁、天井などを構成する面の部分には、さまざまな木質面材料が用いられます。構成要素の大きさに応じて、一般的に合板、配向性ストランドボード(OSB)、パーティクルボード、ファイバーボードなどに分類されます。
このうち、パーティクルボードとファイバーボードは総称して「木質ボード」と呼ばれます。また、ファイバーボードはさらにインシュレーションボード、中密度繊維板(MDF)、ハードボードに細分化されます。なお、ハードボードの製造においては、接着剤をほとんど使用せず、木材に含まれるリグニンの作用によって結着させる点が特徴です。
軸材料の分類
建築における柱や梁などの軸の部分を構成する角材には、木質軸材料が利用されます。代表的なものとして、集成材、単板積層材(LVL)、クロス・ラミネーティッド・ティンバー(直交集成板)、パラレルストランドランバー、およびIビーム(I型ジョイスト)などが挙げられます。
よくある質問
木質材料とは何ですか?
木材を大小のエレメントに分解し、主に接着剤を用いて軸材料や面材料へと再構成した人工的な材料の総称です。
木質ボードにはどのようなものがありますか?
パーティクルボードとファイバーボードの総称であり、ファイバーボードにはインシュレーションボード、中密度繊維板(MDF)、ハードボードなどが含まれます。
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参考文献
一般財団法人建材試験センター『木質材料の種類と特徴』2016年。鈴木滋彦『木質材料のこれまでの発展と今後の展開』木材学会誌、2005年。