電気設備

配線用遮断器の概要と構造

配線用遮断器の概要と構造
配線用遮断器(MCCB)の定義、構造、主な種類、および安全な運用に必要な知識を解説します。

📌 主なポイント

  • ✓配線用遮断器(MCCB)は、過電流から電路を保護するための装置である。
  • ✓過電流を検知して回路を遮断する動作を「トリップ」と呼ぶ。
  • ✓用途に応じて、安全ブレーカー、漏電遮断器、モーターブレーカーなどの種類がある。

配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker、略称:MCCB)は、過負荷や短絡などの異常な過電流が回路に流れた際、自動的に電路を開放して電源供給を遮断する過電流遮断器の一種です。これにより、負荷回路や電線を過熱や損傷から保護し、火災事故を未然に防ぐ役割を果たします。日本国内では『電気設備の技術基準の解釈』に基づき、JIS規格(JIS C 8201-2-1など)に準拠した製品が広く使用されています。

大口需要家用の動力用配線用遮断器
キュービクル内に設置された大口需要家用の配線用遮断器

構造と動作

外郭は合成樹脂製の箱で覆われており、前面のハンドル操作で電源の入切が可能です。過電流を検知して遮断する動作を「トリップ」と呼びます。内部には、電流の大きさに応じて遮断時間を制御する引き外し機構や、遮断時に発生するアークを消弧する装置が組み込まれています。

家庭用配線用遮断器
家庭の分電盤などで一般的に見られる配線用遮断器

主な種類

  • 安全ブレーカー:分電盤の分岐回路に用いられる小型の遮断器。
  • 単3中性線欠相保護付ブレーカー:単相3線式回路において中性線の欠相を検出し、異常電圧による機器の焼損を防止します。
  • モーターブレーカー:電動機の始動電流(突入電流)を許容しつつ、過負荷運転を保護する機能に特化したものです。
  • 漏電遮断器:漏電を検知する零相変流器を内蔵し、漏電時に回路を遮断します。
配線用遮断器の内部構造
各相が独立して動作し、機械的に連結された内部構造

引外し方式

過電流を検知する方式には、バイメタルの湾曲を利用する「熱動式」、電磁石を用いる「電磁式」、これらを組み合わせた「熱動・電磁式」、およびマイクロプロセッサによる「電子式」があります。

よくある質問

配線用遮断器とヒューズの違いは何ですか?
ヒューズは過電流が流れると溶断するため交換が必要ですが、配線用遮断器はトリップ後にハンドルを操作することで再利用が可能です。
「NFB」とは何ですか?
No Fuse Breakerの略称で、かつて三菱電機の商品名として用いられていた名称です。現在では配線用遮断器の通称として広く使われることがあります。
トリップしたブレーカーを戻す際の注意点はありますか?
トリップの原因(過負荷や短絡)を取り除いてからハンドルを操作してください。原因が不明なまま無理に復旧させると危険です。

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参考文献

  • 日本電気技術者協会「配線用遮断器の構造、性能、保護協調について」
  • 電気設備に関する技術基準を定める省令