物理学・化学

モル (単位)

モル (単位)
モル(mol)は、国際単位系(SI)における物質量の単位です。その定義、歴史、およびアボガドロ定数との関係について解説します。

📌 主なポイント

  • モル(mol)は国際単位系(SI)における物質量の単位である。
  • 1モルに含まれる要素粒子の数は、アボガドロ定数(6.02214076 × 10^23 mol^-1)と定義される。
  • 2019年のSI改定により、モルはキログラムの定義から独立した。

モル(英: mole、記号: mol)は、国際単位系(SI)における物質量の単位である。物質量とは、系に含まれる要素粒子の数を表す尺度であり、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいはそれらの集合体を要素粒子として扱うことができる。

定義

現在のモルの定義は、2019年5月20日に施行された国際単位系国際文書第9版に基づいている。1モルは、正確に 6.02214076 × 1023 個の要素粒子を含む系の物質量と定義される。この数値はアボガドロ定数NA)と呼ばれ、単位は mol-1 である。

アボガドロ定数の数式
アボガドロ定数 6.02214076 × 1023

試料に含まれる要素粒子 X の物質量 n(X) と、その個数 N(X) の関係は以下の式で表される。

物質量と個数の関係式
物質量 n(X) = N(X) / NA

歴史的背景

モルという概念は、化学反応における質量と粒子の数の関係を扱うために発展した。当初は、物質の分子量にグラムをつけた質量を1モルとする定義が用いられていた。しかし、イオン結合や金属結合など、明確な「分子」が存在しない物質を扱う必要が生じたため、化学式量に基づく定義へと移行した。

1960年代には、物理学と化学で異なっていたモルの定義を統一するため、炭素12(12C)を基準とする定義が採用された。その後、2019年のSI改定により、モルはキログラムの定義から独立し、アボガドロ定数を固定値とすることで定義されるようになった。

単位の名称と記号

名称の「モル」は、ドイツ語の「Molekül(分子)」に由来する。単位記号の「mol」は、1971年の第14回国際度量衡総会(CGPM)においてSI基本単位として正式に採用された際に決定された。

よくある質問

モルは何を表す単位ですか?
物質量、すなわち系に含まれる要素粒子の数を表す単位です。
アボガドロ定数とは何ですか?
1モルに含まれる要素粒子の数を示す定数で、値は正確に 6.02214076 × 10^23 です。
なぜモルの定義は変更されたのですか?
キログラムなどの他の単位への依存を排除し、普遍的な物理定数であるアボガドロ定数に基づいて定義することで、より正確で安定した単位系を構築するためです。

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参考文献

  • 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版、産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年。
  • 計量単位令(平成4年政令第357号)。
  • The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty.