化学
分子量とは何か:定義、化学式量との関係および物性への影響
化学における分子量の定義、相対分子質量との関係、化学式量との違い、および沸点や凝固点降下などの物性への影響について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓分子量は物質1分子の質量の統一原子質量単位に対する比である。
- ✓分子中に含まれる原子量の総和に等しい。
- ✓分子が存在しない化合物では化学式量が用いられる。
- ✓沸点上昇や凝固点降下などの束一的性質に影響を与える。
分子量(ぶんしりょう、英語: molecular weight)または相対分子質量(そうたいぶんししつりょう、英語: relative molecular mass)とは、物質1分子の質量の統一原子質量単位に対する比であり、分子中に含まれる原子量の総和に等しいものです。
国際純和・応用化学連合(IUPAC)の定義によれば、基準となる静止して基底状態にある自由な炭素12(12C)原子の質量の1/12を統一原子質量単位とし、これに対する比率として表されます。
定義と基本的な性質
本来、核種組成の値によって変化する無名数ですが、特に断らない限り、天然の核種組成を持つものとして扱われます。その場合には、構成元素の天然の核種組成に基づいた相対原子質量(原子量)を用いて算出されます。
化学式量との関係
共有結合性固体、金属結合性固体、イオン結合性固体のように明確な分子が存在しない化合物では、適当に定義した組成式で示される原子集団の相対質量である化学式量を分子量の代わりに用います。
分子量を含む化学式量は、分子式や組成式と構成原子の原子量から計算されます。通常の試料については、IUPACが発表している標準原子量を使用して算出することが一般的です。
分子量と物性への影響
分子が存在する場合の分子量は、純物質の沸点や粘性、希薄溶液の沸点上昇や凝固点降下といった様々な物性に影響を与えます。逆に、これらの物性を測定することで分子量を逆算することも可能です。
- 束一的性質:沸点上昇や凝固点降下は溶液の単位体積当たりの分子数に比例するため、同じ質量濃度であれば分子量に反比例します。
- 沸点の傾向:直鎖アルカンや直鎖アルコールなどの類似構造を持つ化合物同士では、一般に分子量が大きいほど沸点が高くなります。
- 気体中の音速:同温同圧の理想気体中における音速は、分子量の-1/2乗に比例します。
高分子の分子量
1個の分子が多数の繰り返しユニットから成る高分子の場合、個々の分子により繰り返し回数が異なるため、単一の値ではなく統計値である平均分子量が用いられます。
平均分子量には、平均の取り方の違いによって数平均分子量や重量平均分子量などの種類が存在します。
よくある質問
分子量と相対分子質量は同じものですか?
はい、ほぼ同義として扱われ、IUPACでは相対分子質量(relative molecular mass)という用語が用いられています。
分子量に単位はありますか?
分子量および相対分子質量は比率を表す無名数です。
高分子の分子量が単一の値にならないのはなぜですか?
高分子は個々の分子によって繰り返しユニットの数が異なるため、単一の値ではなく平均分子量として表されるためです。
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統一原子質量単位原子量モル化学式量束一的性質
参考文献
- IUPAC. “IUPAC GOLD BOOK - relative molecular mass, M r”. 2014年1月24日閲覧。