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動力滑空機(モーターグライダー)の概要と特徴

動力滑空機(モーターグライダー)の概要と特徴
動力滑空機(モーターグライダー)は、エンジンやモーターなどの動力装置を搭載したグライダーです。自力発航や滞空時間の延長を可能にするその仕組みや種類、日本の航空法における定義について解説します。

📌 主なポイント

  • モーターグライダーは、動力装置を搭載し自力発航や再上昇が可能なグライダーである。
  • 機体形状により、小型飛行機に近い「TMG」と、動力装置を格納できるタイプに大別される。
  • 日本の航空法では「動力滑空機」と定義され、重量や翼幅などの基準が定められている。

動力滑空機(モーターグライダー)は、エンジンや電動モーターなどの動力装置を搭載したグライダーです。動力を持たない通常のグライダー(ピュアグライダー)が、離陸や高度維持のために地上設備や上昇気流に依存するのに対し、モーターグライダーは自力での離陸や、上空での再上昇が可能です。

航行形態による分類

モーターグライダーは、動力の利用目的や機体構成によって主に以下の2種類に分類されます。

自力発航型

エンジンやモーターの推力を用いて、地上から自力で離陸できる機体です。「セルフランチ」とも呼ばれます。上空では動力装置を停止し、ピュアグライダーとして滑空飛行を行うことができます。高度が低下した際には、エンジンを再始動して上昇することが可能です。

サステナー

動力装置を主に滑空中の高度維持や再上昇のために使用する機体です。自力発航型に比べて軽量かつ安価に設計されていることが多く、離陸には外部の曳航手段を必要とする場合があります。

自力発航するモーターグライダー(DG-808B)
自力発航するモーターグライダー(DG-808B)

機体形状と構造

ツーリング・モーターグライダー(TMG)

TMGは、一般的な小型プロペラ機に近い形状を持つモーターグライダーです。固定脚を備え、離着陸やタキシングを飛行機と同様の要領で行えます。滑空性能はピュアグライダーに劣りますが、高い巡航性能と航続距離を備えています。

Grob G109B(TMG)
Grob G109B(TMG)

格納式動力装置

滑空性能を重視する機体では、使用時以外にプロペラや支柱を機体内部に格納する機構を備えたものがあります。これにより空気抵抗を最小限に抑え、ピュアグライダーに近い滑空性能を維持できます。

ASH 26 E(格納式)用のパワープラント
ASH 26 E(格納式)用のパワープラント。プロペラハブ、マスト、ラジエター、エンジンなどが含まれる。

動力源の種類

主に小型のピストンエンジンが使用されますが、近年では電動モーターや小型ジェットエンジンを搭載した機体も存在します。ジェットグライダーは、その高い推力により曲技飛行などに用いられることもあります。

ジェットグライダーによる曲技飛行
ジェットグライダーによる曲技飛行
V字尾翼のジェットグライダー
V字尾翼のジェットグライダー

日本の航空法における定義

日本の航空法では、モーターグライダーは「動力滑空機」と表記されます。以下の条件を満たすものが定義されています。

  • 乗員は二名以下であること。
  • 最大離陸重量は850kg以下であること。
  • 重量÷(全幅)2が3kg/m2を超えないこと。
SZD-45 Ogar
SZD-45 Ogar(1976年製ポーランド製モーターグライダー)

よくある質問

モーターグライダーとピュアグライダーの違いは何ですか?
ピュアグライダーは動力を持たず、離陸や上昇に外部の助けが必要ですが、モーターグライダーはエンジンやモーターを搭載しており、自力での離陸や上空での再上昇が可能です。
TMGとはどのような機体ですか?
TMGは「Touring Motor Gliders」の略で、一般的な小型プロペラ機のような形状を持つモーターグライダーです。固定脚を持ち、離着陸が容易で巡航性能に優れています。
日本の航空法でモーターグライダーはどう定義されていますか?
「動力滑空機」として定義されており、乗員2名以下、最大離陸重量850kg以下、翼面荷重(重量÷全幅の2乗)が3kg/m2以下という基準が設けられています。

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参考文献

  • 航空法(日本国)
  • 公益社団法人 日本滑空協会 公式資料
  • 日本航空協会 グライダー関連資料