モウソウチク(孟宗竹)の生態と分布

📌 主なポイント
- ✓モウソウチクの学名は Phyllostachys edulis である。
- ✓節が「一輪状」である点がマダケやハチクと区別される特徴である。
- ✓環境省と農林水産省の生態系被害防止外来種リストにおいて「産業管理外来種」に指定されている。
モウソウチク(孟宗竹、学名: Phyllostachys edulis)は、アジアの温暖湿潤地域に分布するイネ科マダケ属の竹の一種である。中国大陸を原産地とし、日本国内では庭木として植えられたり、里山などで見られる。種名は、中国の三国時代の呉の人物であり、冬に母のために寒中筍を掘り採ったという故事に登場する「孟宗」にちなむ。

特徴
高さは通常10 - 20メートル (m)、直径は8 - 20センチメートル (cm) に達する常緑高木であり、生育条件が良い環境では高さが25 mに達するものもある。マダケやハチクの節が二輪状であるのに対し、モウソウチクの節は一輪状である点や、茎の表面が粉をふいたように白いことが特徴的である。
葉は披針形で長さ4 - 10 cm、幅は4 - 10ミリメートル (mm) であり、黄緑色を呈する。枝先に2 - 8枚ずつ密集して付き、裏面の基部には軟毛が存在する。春に黄葉したのち、新しい葉へと生え替わる。また、枝は稈の中央部より上の節から2本ずつ互生する。

地下茎を広げることによる強い繁殖力を持ち、タケノコは4月頃に地上へ出てくる。タケノコを覆う稈鞘(竹の皮)は黒褐色であり、背面には粗い毛が生える。花期は5月および9月とされるが、開花は数十年に一回ともいわれ非常に稀である。なお、開花した場合には地下茎まで枯死する特性を持つ。
分布と歴史
原産地である中国大陸から、日本国内においては北海道函館付近から九州、沖縄諸島にかけて分布している。日本への移入時期については、1728年や1736年とする説のほか、歴史的な文献に基づく諸説が存在する。
1970年代以降、竹林の管理放棄に伴ってモウソウチクの分布が急速に拡大し、周辺の植生に影響を及ぼしていることが問題視されている。こうした背景から、環境省と農林水産省が作成した生態系被害防止外来種リストにおいて、産業上の重要性を認めつつも利用上の留意事項が求められる「産業管理外来種」に位置づけられている。
利用
4月頃に採取されるタケノコは大型で肉厚かつ柔らかく、えぐみが少ないため食用として広く利用される。また、竹材としてはマダケと比較して完密度や材質の脆さ、表面の緻密さにおいて劣る面があるものの、かつては建築材料や農業資材、漁業資材として用いられ、かご、すだれ、箸などの細工物にも活用されてきた。2000年代以降は野球用のバットの原材料としても利用されている。
よくある質問
モウソウチクの原産地はどこですか?
モウソウチクの特徴的な節の形状はどうなっていますか?
モウソウチクのタケノコはいつ頃出てきますか?
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参考文献
- 辻井達一 『続・日本の樹木』 中央公論新社〈中公新書〉、2006年2月25日、219頁。
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Phyllostachys edulis (Carrière) Houz. モウソウチク(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList).