気象学

もや(気象現象)の定義と特徴

もや(気象現象)の定義と特徴
気象現象である「もや」の定義、霧との違い、発生メカニズムについて解説します。視程や湿度による分類や、大気中の微粒子との関係を専門的な視点から説明します。

📌 主なポイント

  • もやは視程が1キロメートル以上ある状態を指す。
  • 霧は視程が1キロメートル未満の状態を指す。
  • もやの発生には吸湿性の微粒子が関与している。
  • 湿度が75%を下回る場合は煙霧として分類されることが多い。

もや(靄)とは、大気中に浮遊する微細な水滴や吸湿性の微粒子によって視程(水平方向に見通せる距離)が低下している状態を指す気象現象です。気象観測においては、視程が1キロメートル以上である場合に「もや」と定義されます。

朝日の中の朝靄に遠くの木々が霞む
朝日の中の朝靄に遠くの木々が霞む

霧との違い

もや」と「霧」は、現象としては連続的ですが、視程と湿度によって明確に区別されます。霧は視程が1キロメートル未満の状態を指し、一般的に湿度が100%に近い環境で発生します。これに対し、もやは視程が1キロメートル以上あり、湿度は75%を超えることが多いものの、霧ほど高湿度ではない環境で発生します。また、外観上も霧が白色で濃いのに対し、もやは灰色がかって薄く見えるのが特徴です。

丘の上から見下ろす町が靄に霞んでいる
丘の上から見下ろす町が靄に霞んでいる

発生メカニズム

もやの形成には、大気中の「吸湿性の微粒子」が深く関与しています。空気中には凝結核となりうる様々な粒子が存在しますが、海塩粒子や燃焼由来の粒子などは吸湿性が高く、湿度100%未満の環境下でも水分を吸収して微小な水滴を形成します。この過程で視程が低下し、もやが発生します。また、硫酸塩や硝酸塩、すすなどの大気汚染物質も、もやの核として作用することがあります。

湖畔に浮か広がる朝靄
湖畔に浮か広がる朝靄

関連現象

もやが発生している環境下では、霧虹(フォグボウ)が見られることがあります。また、俗に「霞(かすみ)」と呼ばれる現象には、気象学的な「もや」や「霧」が含まれていることが一般的です。なお、湿度が75%を下回る環境で発生する視程障害は、乾いた粒子が主体の「煙霧」として区別されます。

河谷に生じた靄、航空機から撮影
河谷に生じた靄、航空機から撮影

よくある質問

もやと霧の違いは何ですか?
視程(見通せる距離)によって区別されます。視程が1キロメートル以上であれば「もや」、1キロメートル未満であれば「霧」と定義されます。
もやはどのような環境で発生しますか?
一般的に湿度が75%を超える環境で発生します。大気中の吸湿性の微粒子が水分を吸収することで形成されます。
煙霧との違いは何ですか?
煙霧は主に湿度が75%を下回る乾燥した環境で、乾いた微粒子によって視程が低下する現象を指します。

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参考文献

  • 『気象観測の手引き』、気象庁、p.61-64
  • World Meteorological Organization, "Fog compared with Mist", International Cloud Atlas, 2017.
  • 中村晃三「雲・エアロゾルと気候」『サイエンスネット』第31巻、数研出版、2007年。
  • 『最新気象の事典』、東京堂出版、1993年。
  • 平凡社『世界大百科事典 第2版』「もや(靄)」