マルチローター航空機の構造、技術的原理および発展の歴史

📌 主なポイント
- ✓マルチコプターは3つ以上のローターを搭載した回転翼機である。
- ✓上昇・下降や姿勢制御は、各ローターの回転数の増減によって行われる。
- ✓1907年にフランスのBreguet-Richet Gyroplaneが最初に浮上したクワッドローター機とされている。
マルチコプター(英語: multicopter)は、3つ以上のローターを搭載した回転翼機であり、「マルチローターヘリコプター」や単に「マルチローター」とも呼ばれる。その中でもローターが4つのものはクワッドローターと称され、現代においては無人航空機(ドローン)の代名詞としても広く認識されている。
飛行原理と機体構造
機体中央から放射状に配置された複数の回転翼を備えており、各ローターを同時にバランスよく回転させることによって飛行する。上昇および下降はローターの回転速度の増減によって行い、前進、後進、旋回などは各ローターの回転数に差をつけて機体を傾けることで制御する。
一般的に固定ピッチのローターが使用され、右回りおよび左回りのものを交互に配置することで、回転の反作用を相殺している。ローターの数による分類として、トライコプター(3つ)、クアッドコプター(4つ)、ヘキサコプター(6つ)、オクトコプター(8つ)などが存在する。
歴史的発展
ガソリンエンジンを搭載した有人クワッドコプターの研究はヘリコプターの創生期から行われており、1907年にフランスのBreguet-Richet Gyroplaneが地上60センチメートルの浮上に成功し、最初に浮上した回転翼機とされている。その後も1922年のde Bothezat helicopterや1958年のカーチス‐ライト VZ-7などの実験が行われた。
電動の小型マルチコプターは1980年代から日本の研究機関などで開発が進められた。1989年7月に発売されたキエンスの「ジャイロソーサー」が契機となり、垂直離着陸機を飛ばした経験のない者でも容易に飛ばせるようになった。2000年代以降はスマートフォン等に使用されるMEMSジャイロスコープや加速度センサーの普及により、マルチコプターの技術は飛躍的に発展した。
フライトコントローラー
自律飛行が可能な無人機タイプには、コンピュータ、ジャイロセンサー、加速度センサー、気圧センサー、GPSなどを一つのボードに集約したフライトコントローラーが搭載されている。各センサーからの情報をもとにコンピュータが機体の姿勢を監視・安定化させ、操縦に応じた制御を行う中核部品である。