推理作家:定義と歴史的変遷
📌 主なポイント
- ✓推理作家は主に推理小説を執筆する作家を指し、かつては「探偵作家」とも呼ばれていた。
- ✓日本推理作家協会は1947年に設立され、文学賞の運営や作家の交流を行っている。
- ✓推理小説の執筆形態には、単独執筆のほか、合作、リレー小説、競作など多様な手法が存在する。
推理作家(すいりさっか)とは、主に推理小説を執筆する小説家を指す呼称です。ミステリー作家とも呼ばれます。推理小説というジャンル自体が、論理的な謎解きを主軸とするものから、サスペンスや犯罪小説の要素を多分に含むものまで幅広いため、推理作家の定義は必ずしも一律ではありません。
歴史的呼称の変遷
日本における推理小説の草創期には、主に「探偵作家」という呼称が用いられていました。江戸川乱歩が横溝正史の作品『真珠郎』の序文で「この作者は探偵作家でありながら」と記しているように、当時は探偵小説を専門とする作家を指す一般的な名称でした。また、坂口安吾の評論などでも「探偵作家」という言葉が使われており、当時の文学界における一つのジャンルとして定着していました。昭和23年度の探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)の贈呈式におけるスピーチでも、当時の作家たちが「探偵作家」という言葉を自他ともに認める肩書きとして使用していたことが記録されています。
創作形態の多様性
推理小説の執筆には、単独での執筆以外にも多様な形態が存在します。
覆面作家
顔写真や経歴を公表せず、正体を明かさないまま活動する作家を「覆面作家」と呼びます。デビュー当初の北村薫などがその例として挙げられます。また、特定の作家が変名を用いて別名義で作品を発表したり、複数の作家が共同で一つのペンネームを使用したりするケースもあります。
合作と競作
エラリー・クイーンや岡嶋二人のように、複数名で共同執筆を行うケースも推理小説界では珍しくありません。トリックの考案とストーリー構成を分担するなど、効率的かつ創造的な手法として用いられてきました。また、複数の作家が同一の設定を共有して個別の作品を執筆する「競作」や、リレー形式で物語を書き継ぐ手法も行われています。
作家団体
推理作家の権益保護や交流、文学的研鑽を目的とした団体が国内外に存在します。日本では1947年に設立された日本推理作家協会が代表的であり、2000年には本格ミステリ作家クラブも設立されました。海外においても、アメリカ探偵作家クラブ(1945年設立)や英国推理作家協会(1953年設立)など、歴史ある団体が活動を続けています。
よくある質問
推理作家と探偵作家の違いは何ですか?
覆面作家とはどのような作家ですか?
推理小説の合作はどのように行われますか?
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参考文献
- 横溝正史『昭和ミステリ秘宝 真珠郎』扶桑社、2000年。
- 小林信彦編『横溝正史読本(改版)』角川書店、2008年。
- 日本推理作家協会賞 公式サイト(選考経過記録)。