気象学
凪(気象現象)

凪(なぎ)は、風が止み、海面が静まる気象現象です。海陸風の交代期に発生する朝凪や夕凪のメカニズムや、気象学的な定義について解説します。
📌 主なポイント
- ✓凪は、風が止み海面が静まる気象現象である。
- ✓気象学における風力0(静穏)は、風速0.0〜0.2m/s未満と定義される。
- ✓朝凪と夕凪は、海陸風の交代期に発生する代表的な凪である。
凪(なぎ)とは、吹いていた風が止み、空気が静止した状態を指す気象用語です。海面においては、波が収まり鏡のように穏やかになった状態を指すこともあります。英語では「calm」と表現されます。

気象学的な定義
気象観測において、風速が0.0から0.2メートル毎秒未満の状態は静穏(calm)と定義されています。これは煙が真上に昇り、海面が鏡のように滑らかになる状態を判定基準としています。日常的な言葉としての「凪」は、この静穏な状態を指すものとして広く用いられています。
また、風の強弱が変動する中で、一時的に風が吹き止む現象を英語で「lull」と呼びますが、日本語ではこれも広義の凪として扱われることがあります。
海陸風と凪
沿岸地域では、日中の海風と夜間の陸風が交代するタイミングで凪が発生します。この現象は、海と陸の温度差によって生じる海陸風のメカニズムに基づいています。
特に瀬戸内海沿岸などの地形では、上空の強風の影響を受けにくいため、これらの凪が顕著に現れることが知られています。夏場の夕凪は、風が止まることで蒸し暑さをもたらす要因となることもあります。
よくある質問
凪と静穏の違いは何ですか?
「静穏」は気象観測上の風力階級(風力0)を指す専門的な定義であり、「凪」は風が止んだ状態を指す一般的な言葉です。気象学的には両者は同じ状態を指します。
なぜ夕凪は蒸し暑いのですか?
夕凪が発生すると風が止まるため、空気の対流が弱まり、日中に蓄積された熱が逃げにくくなることで蒸し暑さを感じやすくなります。
凪はどこでよく見られますか?
瀬戸内海沿岸のように、周囲を陸地に囲まれ、上空の強風の影響を受けにくい地形の場所でよく発生します。
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参考文献
- 根本順吉「凪」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館。
- 『デジタル大辞泉』小学館。
- 気象庁「天気予報等で用いる用語:風力・静穏」
- 気象庁『気象観測の手引き』2007年。
- 『日本気候百科』丸善出版、2018年。
- American Meteorological Society, "Glossary of Meteorology".