気象学

アメリカ国立気象局の概要と歴史

アメリカ国立気象局の概要と歴史
アメリカ合衆国の気象業務を担う国家機関、アメリカ国立気象局(NWS)の歴史、組織構造、およびその役割について解説します。

📌 主なポイント

  • アメリカ国立気象局(NWS)は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の傘下にある気象機関である。
  • 1870年2月9日に陸軍信号部の一部門として設立された。
  • 主な任務は、気象・水文・気候の予報および警報の提供による国民の安全確保である。

アメリカ国立気象局(National Weather Service、略称:NWS)は、アメリカ合衆国商務省の下部組織であるアメリカ海洋大気庁(NOAA)を構成する機関の一つです。同国の気象、水文、気候に関する予報や警報を提供し、国民の生命と財産の保護、および国家経済の増進を任務としています。

歴史

アメリカにおける組織的な気象観測の試みは19世紀初頭に遡ります。1834年、フィラデルフィアのフランクリン研究所が陸軍の協力を得て観測網を構築したのが、国家が関与する実質的な始まりとされています。その後、1846年に設立されたスミソニアン協会が電報を活用した統一的な観測網を整備しましたが、南北戦争や火災の影響で機能が停止しました。

1870年、五大湖周辺での海難事故を背景に、ユリシーズ・グラント大統領の署名により国家気象機関が設立されました。当初は陸軍信号部(Signal Corps)の管轄下に置かれ、「商業利益のための電信及び報告部門」として活動を開始しました。その後、クリーブランド・アッベらによる研究指導を経て予報能力が向上し、1890年には農務省へ移管されました。

20世紀に入ると、1940年に商務省へ移管され、1970年には環境科学事業庁(ESSA)の再編に伴い、現在のNOAAの一部局として「国立気象局」の名称で確立されました。

組織構造

NWSは、全米に広がる気象予報事務所(WFO)や河川予報センター、国立環境予測センター(NCEP)などの専門機関を通じて、広範な気象サービスを提供しています。NCEP内には、国立ハリケーンセンターや宇宙天気予報センターなど、特定の気象現象や分野に特化した部門が設置されており、高度な予測モデルの開発と運用を担っています。

よくある質問

アメリカ国立気象局の主な役割は何ですか?
アメリカ合衆国領土および周辺海域における気象、水文、気候の予報や警報を提供し、国民の生命や財産を保護することです。
NWSはどの政府機関の管轄下にありますか?
アメリカ合衆国商務省の傘下にあるアメリカ海洋大気庁(NOAA)の管轄下にあります。
NWSはいつ設立されましたか?
1870年2月9日に設立されました。

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参考文献

  • 堤 之智『気象学と気象予報の発達史』丸善出版、2018年。
  • Sharyl J. Nass, Bruce Stillman. Large-scale Biomedical Science. National Academies Press.