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天然ウランの概要と精錬プロセス

天然ウランの概要と精錬プロセス

📌 主なポイント

  • ✓天然ウランに含まれるウラン235の割合は約0.7%である。
  • ✓イエローケーキはウラン鉱石から抽出されたウラン精鉱の総称である。
  • ✓イエローケーキの国際取引は八酸化三ウラン(U3O8)に換算して行われる。

天然ウランとは、自然界に存在するウラン資源、あるいは同位体組成が自然界のウランと同一のものを指します。採掘されたウランには、核分裂性を持つウラン235が約0.7%、核分裂しにくいウラン238が約99.3%含まれています。濃縮ウランや劣化ウランと対比される際、この未加工の状態を指して「天然ウラン」と呼びます。

ウラン資源と採掘

ウランは地殻や海水中に広く分布しており、資源として利用可能な鉱床が世界各地に存在します。主要な資源国にはオーストラリア、カザフスタン、カナダなどが挙げられます。日本国内においても過去に人形峠鉱床や東濃鉱床などが発見されましたが、資源量が少ないため商業的な開発には至らず、国内の原子力発電用ウランは全量を輸入に頼っています。

イエローケーキへの精錬

イエローケーキ
イエローケーキ

採掘されたウラン鉱石は、粉砕後に硫酸や炭酸ナトリウム溶液を用いてウランを浸出させます。この浸出液から化学的な手法(溶媒抽出やイオン交換など)で不純物を取り除き、ウラン含有率を高めたものが「イエローケーキ」と呼ばれるウラン精鉱です。イエローケーキは歴史的に鮮やかな黄色をしていたことから名付けられましたが、実際には製錬工程や成分によりオレンジ色から茶褐色まで多様な色を呈します。

核燃料サイクルにおける役割

イエローケーキは国際取引の単位として用いられ、転換工場へ送られて六フッ化ウランへと転換されます。軽水炉で使用する場合は、濃縮工場でウラン235の比率を高める「濃縮」工程を経て、燃料ペレットへと加工されます。一方、黒鉛炉や重水炉など、天然ウランをそのまま燃料として使用する原子炉も存在します。イエローケーキの取り扱いについては、核拡散防止の観点からIAEAの追加議定書に基づき、一定量を超える場合は査察の対象となります。

参考文献

  1. “ウラン資源”. 資源エネルギー庁. 経済産業省「エネルギー白書 2009年版」. 財団法人エネルギー総合工学研究所 (2009年10月16日). 2011年3月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月25日閲覧。
  2. “Uranium Marketing Annual Report 2010” (PDF) (英語). 米国エネルギー情報局 (2011年5月27日). 2017年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月25日閲覧。
  3. 『鳥取県大百科事典』p632-633