海軍の歴史と戦略的役割に関する概説

📌 主なポイント
- ✓海軍は主に海上を担当領域とする軍事組織であり、艦艇や航空機を用いて軍事作戦を行う。
- ✓アルフレッド・セイヤー・マハンは海軍の使命が制海権の獲得にあると論じた。
- ✓ジュリアン・コーベットは海上護衛や通商破壊、戦力投射能力を海軍の本質的な任務として重視した。
海軍(かいぐん、英語: navy)は、主に海上を担当領域とする軍事組織である。艦艇や航空機などを用い、各種の軍事作戦を行う。陸軍や空軍と並び、主要な軍種とされる。
概説
海軍は本質的に海洋を活動領域とする軍隊であり、その意義は海洋がどのように社会と関係しているかに影響している。地球表面の約70%は海洋であり、古代ギリシアの哲学者アリストテレスは、安全保障と貿易の面で海洋が国家に重要な便益をもたらすと言及した。また、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンも、海を支配できれば大陸を領有する国家と比べてより自由になり、戦争の規模や範囲を制御できると論じている。
海洋において海軍が担う具体的な戦略的役割は、海軍戦略の理論によって規定されてきた。アルフレッド・セイヤー・マハンは『海上権力史論』や『海軍戦略』において、海軍の使命は制海権(海上優勢)の獲得にあると論じた。これに対し、ジュリアン・コーベットは海洋戦略の諸原則において、艦隊決戦による制海権の確立を絶対視せず、海上護衛や通商破壊、さらに大陸に対する戦力投射能力の重要性を主張した。
海軍史
歴史上、大量の物資を輸送する上で海上や河川の航行は効率的であり、その航行の安全を守るために海軍が創設された。初期の海軍は陸軍部隊の輸送や沿岸警備などの補助的な役割であったが、戦闘を目的とした船舶の設計や蒸気機関の発達を経て、独自的な役割を担う戦力として常備化されていった。
古代
紀元前21世紀頃の古代エジプトがナイル川に浮かべた軍船が、海軍の最も古い例のひとつと考えられている。地中海世界では、フェニキアや古代ギリシア、カルタゴ、古代ローマなどが海軍を編成して海上交通の覇を競った。当時の海戦では、衝角による攻撃や、接舷して兵士を乗り込ませる白兵戦などが行われていた。
中近世
6世紀以降、東ローマ帝国が海上権を握ったが、後にイスラーム勢力の台頭により地中海の海上通商路は分断された。11世紀頃からはイタリア半島のジェノヴァやヴェネツィアの海軍が活躍し、16世紀にはオスマン帝国やスペイン、ポルトガルが海軍力を競った。近代に入ると、イギリス海軍がトラファルガーの海戦などの勝利を経て大きな覇権を確立していった。
参考文献
田中美知太郎訳『世界の名著8 アリストテレス』(中央公論社、昭和47年)
渡辺義雄訳『ベーコン随想録』(岩波書店)
北村謙一訳『マハン海上権力史論』(原書房)と井伊順彦訳『マハン海軍戦略』(中央公論新社)
高橋弘道編著『戦略論大系8 コーベット』(芙蓉書房出版)
防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房)
よくある質問
海軍の主な役割は何ですか?
「navy」という言葉の語源は何ですか?
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参考文献
- 田中美知太郎訳『世界の名著8 アリストテレス』(中央公論社、昭和47年)
- 渡辺義雄訳『ベーコン随想録』(岩波書店)
- 北村謙一訳『マハン海上権力史論』(原書房)
- 井伊順彦訳『マハン海軍戦略』(中央公論新社)
- 高橋弘道編著『戦略論大系8 コーベット』(芙蓉書房出版)
- 防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房)