無機化合物

水酸化ニッケル(II)の化学的性質と合成方法

水酸化ニッケル(II)の化学的性質と合成方法
水酸化ニッケル(II)(Ni(OH)2)の化学式、結晶構造、合成方法、物理的・化学的性質について詳しく解説する事典記事。

📌 主なポイント

  • 水酸化ニッケル(II)の化学式は Ni(OH)2 である。
  • 外観は緑色の結晶または粉末であり、六方晶系の結晶構造を持つ。
  • 230℃程度の加熱により分解して酸化ニッケルと水になる。

水酸化ニッケル(II)(すいさんかニッケル(II)、Nickel(II) hydroxide)は、化学式 Ni(OH)₂ で表される2価のニッケルの水酸化物である。

合成方法

二酸化炭素を含まない硝酸ニッケルの希薄水溶液に、炭酸塩を含まないやや過剰の水酸化カリウム水溶液を加えることで、沈殿として得られる。

水酸化ニッケル(II)生成の化学反応式
水酸化ニッケル(II)生成の化学反応式

あるいは、硝酸ニッケルにアンモニア水を加えて錯体としたヘキサアンミンニッケル(II)塩水溶液に、水酸化カリウム水溶液を加えることでもより良好な沈殿が得られる。

ヘキサアンミンニッケル(II)塩と水酸化カリウムの反応式
ヘキサアンミンニッケル(II)塩と水酸化カリウムの反応式

なお、原料に塩化ニッケルや硫酸ニッケルを直接用いて水酸化カリウムにより沈殿を作成すると、塩基性塩の沈殿が混入するため好ましくないとされている。水溶液から沈殿させたものはほぼ Ni(OH)₂・1.5H₂O に相当するため、真空中で放置して無水物とする。

性質

緑色の結晶または粉末であり、六方晶系の水酸化カドミウム型構造をとる。格子定数は a = 3.117Å、c = 4.595Å である。

水酸化ニッケル(II)の溶解平衡式
水酸化ニッケル(II)の溶解平衡式

水には極僅かにしか溶解せず、希酸およびアンモニウム塩水溶液には容易に溶解する。アルカリ水溶液にはほとんど溶解しないが、アンモニア水およびシアン化カリウム水溶液には錯体を生成して溶解する。

アンモニア水への溶解反応式
アンモニア水への溶解反応式
シアン化カリウム水溶液への溶解反応式
シアン化カリウム水溶液への溶解反応式

230℃程度の加熱により分解し、水を失って酸化ニッケルになるが、完全に脱水するためには赤熱する必要がある。

加熱による分解反応式
加熱による分解反応式

よくある質問

水酸化ニッケル(II)の化学式は何ですか?
化学式は Ni(OH)2 です。
水酸化ニッケル(II)の色や外観はどのようなものですか?
緑色の結晶または粉末として存在します。
加熱するとどうなりますか?
230℃程度の加熱により分解し、水を失って酸化ニッケルになります。

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参考文献

CRC Handbook of Chemistry and Physics, 日本化学会編『新実験化学講座』, 『化学大辞典』