地理

ノヴォシビルスク諸島:北極圏の地理と歴史

ノヴォシビルスク諸島:北極圏の地理と歴史
ロシア連邦サハ共和国に属する北極海のノヴォシビルスク諸島について、地理的特徴、地質学的歴史、および現代の軍事・開発拠点としての役割を解説します。

📌 主なポイント

  • ノヴォシビルスク諸島はロシア連邦サハ共和国に属する北極海の島嶼群である。
  • 最終氷期最盛期には、シベリアとアラスカを結ぶ大北極平野の一部であった。
  • 2013年、ロシア連邦軍がコテリヌイ島に基地と飛行場を再開し、軍事・開発拠点として活用している。

ノヴォシビルスク諸島(ロシア語: Новосиби́рские острова)は、北極海のシベリア東部沿岸、ラプテフ海と東シベリア海を隔てる位置にある島嶼群です。ロシア連邦のサハ共和国に属しており、北緯約75度付近に位置する北極圏の島々です。

ノヴォシビルスク諸島の全景
ノヴォシビルスク諸島の全景

地理的構成

ノヴォシビルスク諸島は、主に以下の3つのグループで構成されています。

  • アンジュー諸島: コテリヌイ島、ファデエフスキイ島、ノヴァヤ・シビリ島などを含む主要な島々。最高標高地点であるマラカチン・タス山(標高374m)はコテリヌイ島にあります。
  • リャーホフスキー諸島: シベリア本土とアンジュー諸島の間に位置する島々。
  • デ・ロング諸島: アンジュー諸島の北東に位置する小さな島々。
ノヴォシビルスク諸島の地図
ノヴォシビルスク諸島の地図

この諸島の北側には、北極点を経てカナダのエルズミーア島まで続く海底山脈「ロモノソフ海嶺」が伸びています。

北極圏の地形図
北極圏の地形図

地質学的歴史

最終氷期最盛期(約17,000年から24,000年前)、現在のノヴォシビルスク諸島は、シベリアとアラスカを結んでいた広大な陸地「ベーリンジア」の一部である「大北極平野」の丘陵地帯でした。当時の海水面は現在より100mから120m低く、海岸線は現在の位置から700kmから1,000kmほど北にありました。完新世に入り氷河期が終焉を迎えると、約7,000年という期間を経て海没が進み、現在の島嶼群が形成されました。

軍事利用と北極海航路

冷戦時代、ソビエト連邦はこの諸島に軍事基地を設置していました。ソ連崩壊後の1993年にロシア連邦軍は一度撤退しましたが、2013年9月、北極海航路の利用拡大や資源開発の重要性が高まったことを受け、ロシア軍はコテリヌイ島に基地および飛行場を再開しました。現在、この諸島はロシアの北極圏における戦略的な拠点として位置づけられています。

よくある質問

ノヴォシビルスク諸島はどの国に属していますか?
ロシア連邦のサハ共和国に属しています。
この諸島はどのように形成されましたか?
かつてはベーリンジアの一部である大北極平野の丘陵地帯でしたが、完新世に入り海水面が上昇したことで海没し、島嶼として残されました。
現在、軍事的な利用はされていますか?
はい。2013年にロシア軍がコテリヌイ島の基地を再開し、北極海航路の監視や資源開発の拠点として利用しています。

関連記事

北極海サハ共和国北極海航路ベーリンジアラプテフ海

参考文献

  • Alekseev, M.N., 1997, Paleogeography and geochronology in the Russian eastern Arctic during the second half of the Quaternary. Quaternary International. vol. 41-42, pp. 11-15.
  • Anisimov, M.A., and V.E. Tumskoy, 2002, Environmental History of the Novosibirskie Islands for the last 12 ka. 32nd International Arctic Workshop.
  • Schirrmeister, L., et al., 2005, Lost world - Late Quaternary environment of periglacial Arctic shelves and coastal lowlands in NE-Siberia. 2nd International Alfred Wegener Symposium.
  • 産経新聞, 「露、北極海の軍基地再建 20年ぶり 資源開発で船舶増加」, 2013年9月18日朝刊.