気候学
西岸海洋性気候の定義と地理的分布

ケッペンの気候区分における西岸海洋性気候(Cfb, Cfc)の定義、特徴、および世界的な分布地域について解説します。
📌 主なポイント
- ✓ケッペンの気候区分における温帯(C)に属する。
- ✓偏西風の影響により、気温の年較差が小さいことが特徴である。
- ✓CfbとCfcの2種類に分類され、夏季の気温と期間によって区別される。
西岸海洋性気候(せいがんかいようせいきこう、英: Oceanic climate)は、ケッペンの気候区分における気候区のひとつであり、温帯(C)に分類されます。記号はCfbおよびCfcで表され、fは湿潤(feucht)、bおよびcは温帯の中で夏の気温が低いことを示しています。
気候の特徴
この気候は、海洋からの偏西風の影響を強く受ける地域に現れます。夏は緯度の高さに対して気温が上がらず冷涼であり、冬は比較的温暖です。そのため、気温の年較差が小さいことが最大の特徴です。降水量は年間を通じて安定しており、季節による極端な変動は少ない傾向にあります。
ケッペンによる分類
西岸海洋性気候は、最暖月と最寒月の平均気温によってさらに細分化されます。
- Cfb(西岸海洋性気候): 月平均気温10℃以上の月が4か月以上続く地域。
- Cfc(亜寒帯海洋性気候): 月平均気温10℃以上の月が3か月以下である地域。夏季が非常に短く冷涼であるため、極温帯気候や海洋性亜寒帯気候と呼ばれることもあります。
分布地域
主に大陸の西岸、緯度40度から60度付近の地域に広く分布しています。代表的な地域には、西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、カナダ西海岸、チリ南部、ニュージーランド、オーストラリア南東部が含まれます。特にCfcは、ノルウェー北部やアイスランド、アラスカ州南海岸など、より高緯度な地域で見られます。
また、大陸東岸や熱帯地域の山岳部においても、標高が高いことによって夏の気温が抑制され、定義上この気候区分に該当する地域が存在します。日本国内においても、標高の高い高原地帯や、夏季に冷涼な北東気流(やませ)の影響を受ける地域の一部が、定義上Cfbに分類されることがあります。
よくある質問
西岸海洋性気候の定義は何ですか?
ケッペンの気候区分において、最寒月平均気温が-3℃以上18℃未満、最暖月平均気温が10℃以上22℃未満であり、年間を通じて降水が安定している気候を指します。
CfbとCfcの違いは何ですか?
月平均気温10℃以上の月が4か月以上あればCfb、3か月以下であればCfcに分類されます。
日本にも西岸海洋性気候はありますか?
定義上、標高の高い高原地帯や北日本の沿岸部の一部がCfbに該当しますが、ヨーロッパの典型的な西岸海洋性気候とは気温や降雪の特性が大きく異なります。
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参考文献
- 帝国書院編集部『新詳高等地図』帝国書院、2017年。
- 二宮書店編集部『詳解現代地図』二宮書店、2017年。
- 日下博幸『気象学と気象予報の発達史』2013年。