色彩学

オストワルト表色系:色彩調和理論に基づく色の体系

オストワルト表色系:色彩調和理論に基づく色の体系
ドイツの化学者ヴィルヘルム・オストワルトが提唱したオストワルト表色系について、色相、白色量、黒色量、色彩調和の法則などを詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • オストワルト表色系は1923年にヴィルヘルム・オストワルトが考案した色彩調和目的の表色系である。
  • 基本8色相を3分割した24色相を円環上に配置している。
  • 色は白色量、黒色量、純色量の混合比率によって表される。

オストワルト表色系(オストワルトひょうしょくけい、英: Ostwald color system)とは、色彩調和を目的としてドイツの化学者ヴィルヘルム・オストワルトが1923年に考案した表色系(混色系)です。

オストワルト表色系の色立体
オストワルト表色系の色立体

オストワルトは「調和は秩序に等しい」という古典的な考え方を支持し、色立体における幾何学的な位置関係に基づいて色の組み合わせを規定しました。

概要と特徴

ノーベル化学賞受賞者でもあるヴィルヘルム・オストワルトによって発表されたこの表色系は、配色が考えやすいという利点からデザイナーに広く用いられました。混色系の表色系としては例外的に、アメリカ合衆国において「CHM(Color Harmony Manual)」という色票が制作された歴史があります。

一方で、理想的な純色をベースに構築されているため、技術の進歩によって表現できる色が増加した現代においては、正確な色の伝達目的としては他の表色系に劣るとされています。

3次元概念図
3次元概念図

色相の構成

ヘリングの心理四原色の考え方を引き継ぎ、黄(Y)と青(UB)、赤(R)と緑(SG)を円環上の対向位置に配置しています。さらに、その中間に橙(O)と青緑(T)、紫(P)と黄緑(LG)を配置して基本8色相とし、それぞれを3分割することで24色相を定めています。

白色量と黒色量

オストワルト表色系では、すべての色を理想的な白・理想的な黒・理想的な純色の混色として捉えます。マンセル表色系のような「明度」や「彩度」の概念はなく、以下の混合比率で表されます。

  • 白色量(W):理想的な白の割合
  • 黒色量(B):理想的な黒の割合
  • 純色量(C):理想的な純色の割合

混合比率であるため、総和は常に100となります。等色相面は無彩色を底辺、純色量を頂角とする二等辺三角形であり、上下対称の二重円錐形の立体を形成します。

色彩調和の形式

オストワルトは、色の組み合わせの調和に関して以下の6つの法則を提唱しました。

  • 灰色調和:等間隔にある3つの灰色は調和する。
  • 等色相面の調和:同一色相面上の色は調和する(等黒系列・等白系列・等純系列)。
  • 等価値色の調和:黒色と白色の含有割合が等しい色は調和する。
  • 補色対菱形の調和:等色相面の調和を補色色相まで拡張したもの。
  • 非補色対菱形の調和:補色対菱形の考え方を非補色にも拡張したもの。
  • 輪星の調和:3色以上の多色において、1つの色相の等色相面上の色を組み合わせる。

よくある質問

オストワルト表色系とは何ですか?
色彩調和を目的に、化学者のヴィルヘルム・オストワルトが1923年に考案した表色系です。
オストワルト表色系の色相数はいくつですか?
基本8色相をそれぞれ3分割した、合計24色相で構成されています。
オストワルト表色系における色の表し方はどのようなものですか?
理想的な白(白色量)、理想的な黒(黒色量)、純色の混合比率を組み合わせて表現します。

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参考文献

槙究著『カラーデザインのための色彩学』(2006年、オーム社) / DIC color & comfort “オストワルト表色系とは” / 東洋インク “配色の調和” (2017年)