日本の地理

大隅半島の地理と歴史:九州南部の自然と地域の特徴

大隅半島の地理と歴史:九州南部の自然と地域の特徴
九州南部に位置する大隅半島の地理、地形、産業、交通、歴史についての詳細な百科事典記事。桜島との関係や内之浦宇宙空間観測所などを解説。

📌 主なポイント

  • 大隅半島は九州南部に位置し、西岸に薩摩半島、東岸に太平洋(フィリピン海)を臨む。
  • 1914年(大正3年)の大正大噴火により、桜島が半島と陸続きになった。
  • 肝付町には内之浦宇宙空間観測所があり、1970年に日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げられた。

大隅半島(おおすみはんとう)は、日本列島の九州南部に位置する半島である。鹿児島湾(錦江湾)の東岸にあり、西岸には薩摩半島が位置している。両半島に挟まれた桜島は、1914年(大正3年)の大正大噴火によって大隅半島と陸続きになった。

大隅半島の位置(九州)
大隅半島の位置(九州)

概要と表記について

行政区域としては、鹿児島県のうち曽於地区と肝属地区の4市5町を指すのが一般的である。地形的には曽於市の一部(旧末吉町・財部町)が除かれ、反対に霧島市の一部(旧福山町)が半島に属するとされる。また、半島振興法の指定を受けている「大隅地域」には、大隅地方のほかに桜島全域と宮崎県の一部も含まれている。

なお、「大隅」を「大隈」と誤記されるケースが見られるが、「隈」に「すみ」という読みは存在するものの、地名としては「大隅」が正しい表記である。

大隅半島のランドサット衛星写真
大隅半島のランドサット衛星写真。スペースシャトル標高データ使用。

地理と地形

半島振興法の指定を受けている地域の総面積は2,540.96平方キロメートルであり、その約64%が森林で占められている。東岸は太平洋(フィリピン海)に面しており、南端の佐多岬は国際海峡である大隅海峡をはさんで大隅諸島と対峙している。東岸には内之浦湾や志布志湾などの入り江が広がる。

佐多岬
佐多岬は九州島の最南端でもある

地形面では、北西に高隈山地、南東に肝属山地(国見山系)、北東に鰐塚山地が走る。中央部には肝属川の沖積平野やシラス台地である笠野原台地を中心とする肝属平野、鹿屋丘陵などの低地が広がり、北側の都城盆地へと地形的につながっている。

産業と施設

農業および畜産業が非常に盛んであり、隣接する宮崎県都城市とともに日本国内を代表する一大生産拠点として機能している。商業の中心地は鹿屋市である。

また、半島の東部に位置する肝付町(旧・内之浦町)には、ロケット発射場である内之浦宇宙空間観測所が所在する。1970年には、大隅半島にちなんで名付けられた日本初の人工衛星「おおすみ」を搭載したL-4Sロケット5号機がここから打ち上げられた。

内之浦宇宙空間観測所
内之浦宇宙空間観測所

交通

鉄道網としては、志布志駅からJR日南線が宮崎市方面へ伸びており、曽於市財部町内をJR日豊本線が通過しているものの、半島内の大部分は鉄道空白地域となっている。かつては国鉄大隅線や志布志線が存在したが、1987年3月に廃止された。

志布志駅
1987年3月までのターミナル駅であった志布志駅

道路においては、東九州自動車道や都城志布志道路などの高速道路網の整備が進められている。海上交通では、中核国際港湾である志布志港を中心に、垂水港や桜島港などが重要な役割を担っている。

鹿児島交通の路線バス
鹿児島交通の一般路線バス
志布志港
志布志港
国道220号・鹿屋バイパス
国道220号・鹿屋バイパス

よくある質問

大隅半島の正しい表記は何ですか?
「大隅半島」が正しい表記です。「大隈」と表記されることがありますが誤りです。
大隅半島の南端にある岬は何ですか?
九州島の最南端でもある佐多岬が南端に位置しています。
日本初の人工衛星「おおすみ」はどこから打ち上げられましたか?
大隅半島東部にある内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。

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参考文献

  • 『大隅地域半島振興計画(2016年版)』
  • 町田洋他編 『日本の地形 7 九州・南西諸島』 東京大学出版会、2001年。
  • 『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』 角川書店、1983年。