電力工学
架空地線:送電線路の雷保護技術

架空地線(GW)の仕組み、雷害防止効果、および光ファイバ複合架空地線(OPGW)の概要について解説します。
📌 主なポイント
- ✓架空地線(GW)は、送電線路を雷から保護するための接地された金属線である。
- ✓遮蔽角45度以内かつ適切な接地を行うことで、高い雷害防止効果が得られる。
- ✓OPGWは光ファイバを内蔵した架空地線であり、電力系統の通信インフラとして利用されている。
架空地線(かくうちせん、がくうちせん)は、送電線や配電線などの架空電線路を雷から保護するために設置される接地された導体です。電力業界では、英語のGround Wireの頭文字をとってGWと称されることが一般的です。
雷保護の仕組み
架空送電線路において、架空地線は通常、電線路の直上部に電線路と平行するように1条または2条が架設されます。避雷器が線路に侵入した雷サージを大地へ放流するのに対し、架空地線は「バリア効果」によって雷撃そのものを電線から逸らす役割を果たします。

架空地線による雷害防止効果は、電線路に対する遮蔽角と接地抵抗値に大きく依存します。遮蔽角を45度以内に収めることで高い保護率が期待でき、短区間ごとに良好な接地を行うことで誘導雷に対する防護性能が向上します。また、雷直撃時の逆閃絡(逆フラッシオーバ)の防止や、近傍への落雷による電磁誘導障害の軽減にも寄与します。
光ファイバ複合架空地線(OPGW)
近年、架空地線の内部に光ファイバを内蔵させたOPGW(Optical fiber composite overhead ground wire)が広く採用されています。これは、既存の架空地線の空間を利用して大容量の通信回線を構築できるため、電力会社の保守管理システムや幹線系インフラとして重要な役割を担っています。光ファイバは電磁誘導の影響を受けないため、送電線近傍でも安定した通信が可能です。

よくある質問
架空地線と避雷器の違いは何ですか?
架空地線は雷撃を電線から逸らす「バリア効果」で線路を守るのに対し、避雷器は線路に侵入した雷サージを大地に放流して機器を保護する装置です。
OPGWを採用するメリットは何ですか?
既存の架空地線の設置場所をそのまま利用できるため、新たに通信ケーブル用の架設スペースを確保する必要がなく、大容量の通信回線を効率的に構築できる点です。
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参考文献
- 省エネルギーセンター「架空地線の雷害保護効果」電気管理 Q&A, 2000年11月
- 古河電工「多心型OPGWの開発」
- フジクラ「テープ心線型OPGW」