パチニ小体:振動を感知する皮膚の機械受容体

📌 主なポイント
- ✓パチニ小体は、皮膚や深部組織に存在する迅速適応型の機械受容体である。
- ✓構造は同心円状の層状構造(ラメラ)に包まれた神経終末からなる。
- ✓主に振動や急激な圧力変化を感知する役割を担う。
パチニ小体(パチニしょうたい、英: Pacinian corpuscle)は、脊椎動物の皮膚や深部組織に存在する主要な機械受容体の一つです。イタリアの解剖学者フィリッポ・パチニ(Filippo Pacini)によって詳細に研究されたことからその名が付けられました。歴史的にはアブラハム・ファーテル(Abraham Vater)の発見も関与しているため、ファーテル・パチニ小体とも呼ばれます。
解剖学的分布
パチニ小体は皮膚の深部組織に広く分布しており、特に指先などの触覚が鋭敏な部位の皮下組織に多く見られます。また、皮膚以外にも腸間膜や膵臓の周囲、関節付近の結合組織など、身体の深部にも存在することが知られています。

構造的特徴
パチニ小体は、他の機械受容体(メルケル細胞やマイスナー小体など)と比較してサイズが大きく、肉眼でも確認可能な卵形をしています。その長さは約1mmに達します。
内部構造は非常に特徴的で、中心部にある求心性神経の終末を、20から60層にも及ぶ同心円状の薄層(ラメラ)が包み込んでいます。この薄層はシュワン細胞が変形したもので、その間はゲル状の物質で満たされています。この層状構造が、外部からの機械的刺激を効率的に神経終末へと伝達するフィルターの役割を果たしています。

生理学的機能
パチニ小体は、迅速適応型受容体(rapidly adapting receptor)に分類されます。これは、持続的な圧力に対しては反応せず、圧力の急激な変化や振動に対してのみ活動電位を発生させることを意味します。
外部から圧力が加わると、同心円状の層が変形し、その物理的な力が中心部の神経終末に伝わります。これにより機械受容チャネルが開口し、受容器電位が発生します。この電位が閾値を超えると、活動電位が神経線維を介して中枢へと送られます。この仕組みにより、物体に触れた際の微細な振動や、テクスチャの変化を鋭敏に感知することが可能となっています。


よくある質問
パチニ小体は何を感知しますか?
パチニ小体はどこにありますか?
なぜ「迅速適応型」と呼ばれるのですか?
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参考文献
- Kandel, E. R., Schwartz, J. H., & Jessell, T. M. (2000). Principles of Neural Science (4th ed.). McGraw-Hill.