歴史・文化

ペイジ(西洋の小姓および関連する制度)

ペイジ(西洋の小姓および関連する制度)
西洋中世の小姓であるペイジの歴史や役割をはじめ、現代のホテルボーイ、議会ペイジ、英国のページ・オブ・オナー、日本の御裳捧持者まで詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • 中世ヨーロッパのペイジは、主に7〜8歳から十代半ばの貴族や荘園主の子弟で構成されていた。
  • ペイジは騎士の館で雑務や作法を学び、14歳頃になると従騎士へと昇格した。
  • イギリス王室には、式典で国王や王妃の式服の裾を持つ「ページ・オブ・オナー」という制度がある。

ペイジ(page)とは、西洋における小姓(こしょう)を指す言葉である。中世ヨーロッパにおいては、騎士を目指す少年がその初期段階で務めた奉公および身分を意味していた。

中世ヨーロッパにおけるペイジ

ヨーロッパの中世社会において、ペイジは騎士の城や屋敷に仕える少年たちのことである。その年齢はおおむね7〜8歳から十代半ば頃までであった。

大部分は貴族や荘園主の子弟であり、王の宮廷や、生家よりも高い身分を持つ貴族の家庭に預けられた。そこで雑用や使い走りをこなしながら、将来の騎士に必要な素養を学んだ。具体的には、馬や武器の扱いに加え、テーブルマナーやチェスの遊び方などが挙げられる。十代半ば(14歳頃)になると、彼らは従騎士(スクワイア)へと昇格し、主人の身の回りの世話や戦場での補佐を務めるようになった。

レオン・バクスト画による『眠れる森の美女』におけるペイジの装束
レオン・バクスト画による『眠れる森の美女』におけるペイジの装束

現代における用法と類似の制度

歴史的な小姓としての意味から派生し、現代でも特定の役割を担う少年や若者を「ペイジ」と呼ぶ事例が存在する。

  • ホテルペイジ:ホテルのロビーなどで案内や伝言、荷物の運搬などを担当するボーイを指す。
  • アメリカ合衆国議会のペイジ:連邦議会において、議員の補佐や書類の運搬などの使い走りを行う高校生の少年少女を指す。
  • ウェディングペイジ:結婚式において、新婦のウェディングドレスの裾を持つ役割を担う少年のこと。

イギリスの「ページ・オブ・オナー」

イギリス王室には「ページ・オブ・オナー」(Page of Honour)と呼ばれる制度が存在する。貴族やジェントリの子弟から選任され、戴冠式などの重要な式典において、国王や王妃の式服・ローブの裾を持つ役割を担う。

戴冠式のための「ページ・オブ・オナー」とともにバッキンガム宮殿のバルコニーに姿を現すイギリスのチャールズ3世とカミラ王妃
戴冠式のための「ページ・オブ・オナー」とともにバッキンガム宮殿のバルコニーに姿を現すイギリスのチャールズ3世とカミラ王妃

日本における類似の制度

日本における類似の歴史的・儀礼的役割として、皇室の儀式で皇后や妃の裾を持つ御裳捧持者(おんもほうじしゃ)が挙げられる。かつては学習院中等科の生徒などが務めた。

よくある質問

中世ヨーロッパのペイジは何をする人でしたか?
貴族や騎士の屋敷に仕え、使い走りや家事をこなしながら、馬や武器の扱い、テーブルマナーなどの騎士道修行を行いました。
イギリスの「ページ・オブ・オナー」とは何ですか?
貴族やジェントリの子弟から選ばれ、戴冠式などの公式な式典で国王や王妃の式服の裾を持つ役割を担う制度です。
現代社会において「ペイジ」という言葉はどのように使われていますか?
ホテルの案内係(ホテルペイジ)、アメリカ議会で働く高校生の補佐員、結婚式のドレスの裾持ちなど、特定の補助的役割を担う少年や若い係員を指して使われます。

関連記事

騎士小姓イギリス王室戴冠式

参考文献

彬子女王「明治宮廷の華」、小松大秀(監修)『明治150年記念 華ひらく皇室文化 −明治宮廷を彩る技と美−』、青幻社、2018年5月、13-14頁。