物理化学

相図(状態図)の基礎と熱力学的性質

相図(状態図)の基礎と熱力学的性質
物質の相と熱力学的な状態量の関係を示す相図(状態図)について、温度・圧力・組成との関連や基本的な熱力学的性質を解説します。

📌 主なポイント

  • 相図(状態図)は、物質の相と熱力学的な状態量の関係を表現した図である。
  • 温度と圧力の相図において、固相・液相・気相の境界線が交わる点は三重点と呼ばれる。
  • 蒸発曲線の終端は臨界点であり、それを超えると超臨界流体となる。
  • 金属工学では、合金の組成と温度の関係を示す相図が材料の性質予測に用いられる。

相図(そうず、英: phase diagram)は、物質や系における相と熱力学的な状態量の関係を視覚的に示した図です。状態図とも呼ばれます。この図を用いることで、特定の条件下で物質がどのような状態(固体、液体、気体など)をとるかを予測することが可能です。

温度と圧力による相図

純物質における温度と圧力の関係を示す相図では、物質の三態が境界線によって区切られています。各相の境界線は、以下の熱力学的プロセスに対応しています。

  • 融解曲線:固相と液相の境界
  • 昇華曲線:固相と気相の境界
  • 蒸発曲線:液相と気相の境界

蒸発曲線の高温高圧側の終端は臨界点と呼ばれ、これを超えると物質は超臨界流体となります。また、これら三つの曲線が交わる点は三重点と呼ばれ、三つの相が平衡状態で共存する特定の温度・圧力点を示します。多くの物質において融解曲線は蒸発曲線側へ傾いていますが、水のように圧力が高いほど融点が低くなる物質では、傾きが逆方向になります。

物質の三態と温度、圧力の関係を示す相図
物質の三態と温度、圧力の関係を示す相図。横軸が温度、縦軸が圧力、緑の実線が融解曲線、赤線が昇華曲線、青線が蒸発曲線、三つの曲線が交わる点が三重点。

組成と温度の相図

金属工学などの分野では、温度と組成の関係を示す相図が広く利用されます。これは合金の性質を予測し、工業的な製造プロセスを制御するために不可欠なツールです。相律に基づき、系内の自由度を考慮することで、物質の状態を正確に記述することができます。

よくある質問

相図と状態図は同じものですか?
はい、同じものを指します。どちらも物質の相と熱力学的な状態量の関係を表した図を意味します。
三重点とは何ですか?
温度と圧力の相図において、固相・液相・気相の三つの相が平衡状態で共存する特定の温度および圧力の点のことです。
臨界点を超えるとどうなりますか?
臨界点を超えた温度と圧力下では、物質は超臨界流体と呼ばれる状態になります。

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参考文献

  • 戸田源治郎. “状態図”. 日本大百科全書(小学館). Yahoo!百科事典.
  • “状態図”. 世界大百科事典第2版(日立ソリューションズ). コトバンク.
  • “状態図”. マイペディア(日立ソリューションズ). コトバンク.