熱力学および統計力学における物質の相転移現象の基礎

📌 主なポイント
- ✓相転移とは、ある系の相が別の相へ変わる現象のことである。
- ✓相転移は、準安定状態を持つ第一種相転移と持たない第二種相転移に大別される。
- ✓第一種相転移では転移の際に潜熱(転移熱)が発生する。
- ✓転移点における温度や圧力などの状態量は相図上で連続した線分を形成する。
相転移(そうてんい、英語: phase transition)とは、ある系の相が別の相へ変化することを指し、相変態(そうへんたい、英語: phase transformation)とも呼ばれます。熱力学や統計力学において、相とは特定の特徴を持った系の安定な状態の集合として定義されます。物質の固相・液相・気相間の相互変化が一般によく知られていますが、結晶構造や密度、磁性などの同相中の物性変化や基底状態の変化に対しても用いられます。

転移点と状態量
相転移を起こす温度や圧力などの状態量の値の組を転移点(変態点)と呼び、特に転移点上の温度を転移温度と呼びます。例えば、特定の成分系の液相-気相転移点では圧力が指定されれば、沸点は一意に決定されます。これにより、温度と圧力の相図上において転移点は連続した線分を形成します。
相転移の分類
相転移は、準安定状態を持つ第一種相転移と、それを持たない第二種相転移に大別されます。また、ポール・エーレンフェストの分類法では、自由エネルギーの温度あるいは圧力のn階微分が不連続となる場合をn次相転移と呼びます。
第一種相転移
物質の三態間の状態変化はいずれも代表的な第一種相転移です。一次相転移点の前後ではエントロピーやモル熱容量などが不連続となり、2つの相の間にはクラウジウス-クラペイロンの式が成立します。また、過熱状態や過冷却状態といった準安定状態が生じるのも特徴です。
第二種相転移
一部の構造相転移、磁気相転移、常伝導から超伝導状態への転移、液体ヘリウムの超流動状態などが代表例です。秩序変数が秩序状態から無秩序状態へ転移する現象であり、化学ポテンシャルの一次導関数は連続であるため転移熱は発生しませんが、二次導関数などが不連続性を示します。
転移熱
第一種相転移が進行中の一成分系では、圧力が一定の場合に温度が一定のまま系外への熱の放出または吸収が見られます。この熱を転移熱または潜熱と呼びます。
よくある質問
相転移とは何ですか?
第一種相転移と第二種相転移の違いは何ですか?
転移熱とは何ですか?
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参考文献
西森秀稔 『相転移・臨界現象の統計物理学』 培風館.