化学元素
リン元素の特性と科学的性質

原子番号15の元素であるリンの物理的・化学的特性、多様な同素体(白リン、赤リン、黒リン、紫リンなど)、および近年の研究成果について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓リンは原子番号15、元素記号Pの窒素族元素である。
- ✓白リン、赤リン、紫リン、黒リンなどの多様な同素体が存在する。
- ✓白リンは強い毒性を持ち、空気中で自然発火しやすいため水中で保存される。
- ✓黒リンはリンの同素体の中でもっとも安定であり、半導体としての性質を持つ。
リン(燐、英: phosphorus)は、原子番号15番の元素である。元素記号はP。窒素族元素(15族)のひとつであり、第3周期に属する。自然界では単体としては存在せず、主にリン酸塩などの形で広く分布している。
名称の由来
リンという名称およびラテン語名(phosphorus)は、ギリシャ語で「光を運ぶもの」を意味する「phosphoros」に由来する。これは、空気中で発光する白リンの性質にちなんで名付けられたものである。
同素体
リンには、物理的性質や化学的性質が異なる複数の同素体が存在する。代表的なものとして、白リン、赤リン、紫リン、黒リンなどが知られており、近年では新しい同素体の合成に関する研究も進められている。
- 白リン(黄リン):四面体形の分子(P4)からなる結晶で、常温常圧では白色のロウ状固体である。強い毒性を持ち、空気中で自然発火しやすいため、通常は水中で保存される。
- 赤リン:白リンと比較して安定であり、毒性が低い固体物質である。
- 紫リン:金属光沢を持つ暗紫色の固体であり、結晶性の物質として知られる。
- 黒リン:斜方晶系などの構造を持つ半導体であり、リンの同素体の中でもっとも安定な形態である。
また、近年の研究では、レーザー光を用いた新しい同素体(オレンジ色のリンなど)の合成成功も報告されている。
よくある質問
リンの元素記号は何ですか?
リンの元素記号はPです。
白リンが水中で保存されるのはなぜですか?
白リンは空気中で室温でも徐々に酸化され、発火点(約44°C)が低く自然発火しやすいため、安全のために水中で保存されます。
リンの同素体にはどのようなものがありますか?
代表的な同素体として、白リン、赤リン、紫リン、黒リンなどが知られています。
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参考文献
化学大辞典編集委員会(編)『化学大辞典』共立, 1993年. 門間英毅「単体リンの化学(話題を探る)」『化学と教育』41巻 4号, 1993年. 京都大学ほか「レーザー光を使い日本発の新しいリン同素体を合成」2025年.