気象学
頭巾雲(ピレウス)の特徴と発生メカニズム

積雲や積乱雲の頂上に現れる頭巾雲(ピレウス)の特徴や発生メカニズム、気象学的な意味について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓頭巾雲は積雲や積乱雲の雲頂に付随して現れる副変種である。
- ✓ラテン語で「帽子」を意味する「pileus」が学術名の由来となっている。
- ✓強い上昇気流が存在し、大気が不安定であることを示す兆候とされる。
頭巾雲(ずきんぐも、ラテン語学術名: pileus、略号: pil)は、雲の分類において付随して現れる雲(副変種)の一つである。積雲や積乱雲の雲頂に付随してみられ、曲面状に薄く広がるのが特徴である。

形態と名称の由来
頭にかぶる帽子(キャップ)や頭巾(フード)、あるいはベレー帽のような形状をしている。雲頂に近い位置にあるが離れて接しないもの、接しているもの、さらには頭巾雲を雲頂が貫くものなどが見られる。頭巾雲はしばしば何層も重なって現れることがある。
ラテン語の「pileus(ピレウス)」は帽子を意味する言葉である。俗に、頭巾雲やベール雲は「かつぎ雲」と呼ばれることもある。

発生メカニズム
積雲の発達過程において、強力な上昇気流が下層の湿った空気を急速に押し上げることにより、上空に薄い層状の雲が生じる。こうした形状において、曲面状で水平方向へ大きく広がっていないものを頭巾雲と呼び、水平方向へ大きく展開したものはベール雲と呼ばれる。

積雲の対流活動は変化が激しいため、頭巾雲自体は数分から十数分程度の短い時間で消滅することが多い。
気象学的な意味
頭巾雲が現れる背景には、その下部に非常に強い上昇気流が存在し、大気が不安定な状態にあることが挙げられる。このため、周辺も含めて積乱雲が急発達する恐れがあることを示すサインとされる。

なお、太陽の光を受けて雲粒が回折を起こし、虹色に輝く彩雲として観察されることもある。

よくある質問
頭巾雲とはどのような雲ですか?
積雲や積乱雲のてっぺんに帽子や頭巾のようにかぶさる、曲面状の薄い雲のことです。
頭巾雲が現れるとどのような天気の変化が予想されますか?
強い上昇気流が存在し大気が不安定であることを示しており、周囲で積乱雲が急発達する恐れがあります。
レンズ雲とはどう違うのですか?
頭巾雲が雲頂付近にできるのに対し、レンズ雲は山頂付近にできるという違いがあります。
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参考文献
- WMO(世界気象機関)『International Cloud Atlas(国際雲図帳)』Pileus, 2017年.
- 田中達也、『雲・空』〈ヤマケイポケットガイド 25〉、山と溪谷社、2001年、p.148-149.
- 森田正光『空の手帳 散歩が楽しくなる』東京書籍、2020年、134-135頁。
- 小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』「頭巾雲」項目。