地球科学
地球の磁気圏におけるプラズマ圏の構造とダイナミクス

地球の磁気圏内側に位置するプラズマ圏について、電離圏との関係、プラズマ圏界面、発見の歴史や近年の観測成果を解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓プラズマ圏は電離圏の外側に位置し、低エネルギー・低温のプラズマから構成される地球磁気圏の内側領域である。
- ✓プラズマ圏の外側境界であるプラズマ圏界面では、プラズマ密度が急激に(1桁以上)低下する。
- ✓1963年にドン・カーペンターが超長波のホイスラー波データの分析から発見した。
- ✓近年の人工衛星による観測から、プラズマ密度の不規則性や、常に地球と共回転するわけではない動的な性質が明らかにされている。
プラズマ圏(Plasmasphere)は、地球の磁気圏の内側に位置する領域であり、比較的低エネルギーで低温のプラズマによって構成されている。電離圏の外側に広がっており、地球周辺の宇宙空間における重要なプラズマ貯蔵庫としての役割を担っている。

構造とプラズマ圏界面
プラズマ圏の外側の境界は、プラズマ圏界面(Plasmapause)として知られている。この境界領域では、プラズマ密度が急激に低下し、通常は1桁以上の密度減少が観測されることで定義される。プラズマ圏界面の位置や形状は、太陽風の活動や磁気圏の対流によってダイナミックに変動する特性を持っている。
発見の歴史
プラズマ圏の存在は、1963年にドン・カーペンター(Don L. Carpenter)によって明らかにされた。彼は超長波のホイスラー波に関するデータの分析を通じて、磁気圏内の電離密度プロファイルに特徴的な変化(ニー)が存在することを発見し、これがプラズマ圏の特定につながった。その後、1966年には西田篤弘らが、磁気圏対流と尾部からのプラズマ流出の複合作用によるプラズマ圏界面の形成モデルを提唱している。
近年の観測と知見の進展
伝統的に、プラズマ圏は粒子の運動が地磁気によって完全に支配されており、地球の自転とともに秩序正しく共回転する冷たいプラズマの領域と考えられてきた。しかし、近年の人工衛星(IMAGE衛星の極端紫外線イメージャーなど)による観測技術の進展により、プラズマ密度には様々な不規則性が存在すること、さらにプラズマ圏が常に地球と完全に共回転しているわけではないことが明らかになっている。
よくある質問
プラズマ圏とは何ですか?
プラズマ圏は、地球の磁気圏内側に位置する、低エネルギーで低温のプラズマから構成される領域です。電離圏の外側に広がっています。
プラズマ圏界面とはどのような境界ですか?
プラズマ圏の外側境界であり、プラズマ密度が1桁以上急激に落ち込む場所として定義されます。
プラズマ圏は誰がどのように発見しましたか?
1963年にドン・カーペンターが、超長波のホイスラー波のデータを分析することによって発見しました。
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磁気圏電離圏太陽風ホイスラー波
参考文献
Carpenter, D. L., Whistler evidence of a 'knee' in the magnetospheric ionization density profile, J. Geophys. Res., 68, 1675–1682, 1963.
Nishida, A., Formation of plasmapause, or magnetospheric plasma knee, by combined action of magnetospheric convections and plasma escape from the tail, J. Geophys. Res., 71, 5669, 1966.
Sandel, B. R., et al., Extreme ultraviolet imager observations of the structure and dynamics of the plasmasphere, Space Sci. Rev., 109, 25, 2003.
Nishida, A., Formation of plasmapause, or magnetospheric plasma knee, by combined action of magnetospheric convections and plasma escape from the tail, J. Geophys. Res., 71, 5669, 1966.
Sandel, B. R., et al., Extreme ultraviolet imager observations of the structure and dynamics of the plasmasphere, Space Sci. Rev., 109, 25, 2003.