プレートテクトニクス理論の基礎と地球科学的背景

📌 主なポイント
- ✓プレートテクトニクスは1960年代後半以降に発展した地球科学の学説である。
- ✓地球表面のリソスフェアは十数枚のプレートに分かれ、年間数センチメートルの速さで移動している。
- ✓プレートの境界は「発散型」「収束型」「トランスフォーム型」の3つに大別される。
- ✓アルフレート・ヴェヴェーナーの大陸移動説や海洋底拡大説などを経て、1968年に理論が完成した。
プレートテクトニクス(英: plate tectonics)は、1960年代後半以降に発展した地球科学の学説である。地球の表面が数枚の固い岩盤(プレート)で構成されており、これらが互いに動くことで大陸移動やさまざまな地殻変動が引き起こされると説明する。従来の大陸移動説や海洋底拡大説などを基礎として体系化され、地球科学に大きな変革をもたらした。
プレートの構造と地球内部
地球内部は、外側から順に地殻、マントル、核に分類される。マントルを構成する岩石は地震波に対して固体として振る舞うが、長い時間単位では流動性を有する。上部マントルの最上部(深さ約100キロメートルまで)は固くて流れにくく、その下の層は比較的流動性がある。地殻と上部マントル上端の固い部分を合わせてリソスフェア(岩石圏)と呼び、その下の流動性のある部分をアセノスフェア(岩流圏)と呼ぶ。
厚さ約100キロメートルのリソスフェアは、いくつかの巨大な「プレート」に分かれており、年間数センチメートルの速さでそれぞれ固有の方向へ移動している。大型のプレートには、ユーラシアプレート、北アメリカプレート、太平洋プレート、インド・オーストラリアプレート、アフリカプレート、南アメリカプレート、南極プレートなどがある。また、フィリピン海プレートやナスカプレートなどの小規模なプレートも存在する。
プレートの境界
プレート同士が接する境界は、その運動様式によって主に3つのタイプに分けられる。
- 発散型境界(広がる境界):マントルの上昇部に相当し、毎年数センチメートルずつ東西に拡大している。開いた割れ目には玄武岩質マグマが供給され、新しい地殻が作られる。この部分は海嶺と呼ばれる。
- 収束型境界(せばまる境界):プレート同士が衝突し圧縮される境界であり、造山運動が起きる。比重の軽い大陸部分と比重の重い海洋部分が衝突した場合は、海洋部分が沈み込む。
- トランスフォーム型境界(ずれる境界):プレートが互い違いにすれ違う境界であり、明らかな横ずれ断層が形成される。アメリカ西部のサンアンドレアス断層などがよく知られている。
理論の発展と受容の歴史
1912年にアルフレート・ヴェーゲナーが提唱した大陸移動説は、当時は移動の原動力の説明に無理があったため広く受け入れられなかった。しかし、1944年にアーサー・ホームズがマントル対流説を発表し、移動の原動力を地球内部の熱対流に求める道が開かれた。1950年代以降の古地磁気学の進展や、1960年代のハリー・H・ヘスらによる海洋底拡大説の提唱を経て、1968年にプレートテクトニクス理論が完成した。
西側諸国では速やかに普及したものの、東側諸国や日本の地学界の一部では受け入れに時間を要した歴史的経緯がある。日本では、1973年の高校教科書への導入や小説『日本沈没』を通じて一般社会に広く浸透した。
他の太陽系天体との比較
太陽系内の他の地球型惑星や衛星において、地球のようなプレートテクトニクスの存在は現在のところ確認されていない。例えば火星には巨大な火山が存在するが、プレート移動が起きないために同じ場所に溶岩が堆積し続けたと考えられている。
よくある質問
プレートテクトニクスとは何ですか?
プレートはどのような力で動くのですか?
プレートの境界にはどのような種類がありますか?
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参考文献
「山はどうしてできるのか ダイナミックな地球科学入門」藤岡換太郎 講談社 2012年。
「図説 地球科学の事典」鳥海光弘編集代表 朝倉書店 2018年。